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上空では、ウォールバーグと
しかしウォールバーグは片腕を失い、顔の半分は皮膚が無くなったようだ。
「サーズは杖の本来の力を解放する。魔力を最大限込めれば術者が息絶えようと自分の意志を持って魔法を放つことも可能」
「バカな…そんなことが…」
「ワシはそのためにずっと魔力をセーブしてたのじゃ」
「まさか」
「サーズが貴様を切りとる。ワシの命と引き換えにな」
ウォールバーグは自分の命を引き換えに、
「最初からそのつもりで…」
「(ワシはまだ役目を果たしておらん。この世界はもっとよくなるはずじゃ。互いが互いを尊重し弱さを認め合うことのできる優しさに満ちた世界。そのためには救いあげねばならぬのじゃ。弱く脆い昔のワシのような人たちを…。ワシはそのために先頭に立ち、みなを導いていかなければならぬのじゃ。先生がワシにしてくれたように…笑い合うために…それを行動で示すのじゃ。我が生徒たちに)」
目映く白い光が2人を包む。
それはイーストン魔法学校はもちろん、魔法局、そしてマッシュの実家まで届いていた。
「なんじゃあれは!」
「とんでもねぇだろ…これ」
「まさかウォールバーグさん…」
しかし、遠くまで照らすほどだった空間魔法はどんどん縮小してゆく。
それは闘技場に駆け付けたライオにも疑問を持たせた。
「なぜ縮小していく?」
「空間魔法は広げた領域で発動するもの…」
Aは空を睨み付け、言った。
「嫌な予感がする」
「(嫌な予感がする)」
それは離れたところにいる双子の兄、レインも同じようだ。
「嫌な予感とは?」
「なんていいますか…大切なものが失われる…といいますか…こう…なんか、誰かが危険に自ら行く、みたいな」
「なんですかそれ」
「知りませんよ」
「(イノセント・ゼロ!?術が発動しておらん…まさか時を戻したのか!?)」
「ウォールバーグよ、お前は強い。だが私は更に上をゆく。己がために生き続けてきた私を貴様が超えることはない」
「(なんと無情な…。理想は理想として終わりゆくものなのか…。ワシの思い描いた世界とはこんなちっぽけな思想に押し潰されるほど脆いものじゃったのか…無念)」
「さらばだ、ウォールバーグ」
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ろぉぜさん@リアル多忙につき低浮上(プロフ) - 続編、楽しみに待ってます!! (5月7日 17時) (レス) @page50 id: 322d14085a (このIDを非表示/違反報告)
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