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「え」

その拍子にマッシュは右をみてしまう。

「あ、右向いてもた。負けてしまった」
「いいよ、今のはノーカンで。この勝負は引き分けにしよう。いいだろうそれで」
「じゃあお言葉に甘えて」
「でもこの程度だとマカロン相手には厳しいかもね」
「カルドさんの言う通りですよ、マッシュくん。マーガレットさんは私やレインに匹敵する。私たちが2年生で神覚者になれたのは彼が参加していなかったことが大きい。…ですから、頑張って」
「すまないね。邪魔したよ」
「え、待ってくださいカルドさんなんで置き去りにするんですか?」
「え?人見知りを解消する(弟と話す)いい機会ですよ?時間までに戻ってくるんですよ」
「え」

そう言ってカルドは出て行った。

「愉快犯…」

部屋のすみっこに立ち尽くす神覚者。

「どうしたの?マッシュくん…」
「いや、あの人が一瞬躊躇してなかったら危なかったなって…それにあの人…呪文を唱えていない」
「(あ、そうだ)マッシュくん。今から質問することに素直に答えなさい」

感情が読み取れない声で発された“質問に答えろ”。
マッシュは“うす”と答えた。

「あなたは、神覚者に死んでもなれる?」
「もちのろん」
「ふふ…。仮にあなたが味方となれば…。かなり魔法界は変わるでしょうね。まぁ…。“なる”と言った以上死んでもなっていただきますが」

初めて見せた緩んだ笑顔。

「姉さま」
「…どうした?」

ほんとに少しフィンに近寄った。

「…よ、呼んだだけ」
「そうか」
「姉さま…?えと、あなたは?」
「えっ、あ、はい私は…フィンの姉、レインの双子の妹、A・エイムズです」

レモンの問いかけに肩を跳ねさせながらも自分の名前を告げたA。

「そうなんですね!可愛いし、美人だし、大人っぽいし…」
「そ、そうですか?えっと…」
「レモン・アーヴィンです」
「レモンさんの方がかっ…可愛らしいですよ」
「(姉さま打ち解けるスピード早い…)」

女子とは打ち解ける速度が速いらしい。

「っと、きっ…君は?」
「(姉さま偉い!!話しかけにいった!!)」
「この世の主人公・ドット・バレットっす」
「え、そ…そうなんですね…?」
「(姉さまが引いてるよォオォオオ)」

実際、あまり表情筋は動いていないのだが。

「…ところで。もうそろそろ開始10分前ですが、大丈夫ですか?」
「あッ。やべぇっっ!!!」
「…頑張れよ」

Aはフィンの頭を軽く撫で、部屋を出た。

「…うん、頑張るよ」

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ろぉぜさん@リアル多忙につき低浮上(プロフ) - 続編、楽しみに待ってます!! (5月7日 17時) (レス) @page50 id: 322d14085a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萩野千紗 | 作者ホームページ:無い  
作成日時:2024年3月18日 22時

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