人見知りの神覚者様。 (ページ12)

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「メンドクセエ。規則通りちゃっちゃと片付けよーぜ」
「ウォールバーグさんの仰ることももっともですが世間はこの特例を許さないでしょう」
「私もアナタと同じ考えだ」

ブレスが言う。

魔法寄生虫に寄生されていた者だ。

「しかしその魔法不全者に私は命を救われた。頭では規則通りにと分かっている。無責任な判断だと思われても致し方ない。だがこの件を一任されたのはあくまで私。どうか彼に猶予を与えさせてもらえないだろうか。私をどう処分して頂こうとかまわない。しかし私の決定は揺るがない」

校長、レイン、A、ブレス。

この4名がマッシュに味方をしている。この状況を見、オーターは考えた。

「…条件をつける。あくまで無邪気な深源(イノセント・ゼロ)の攻略の手駒として私達の監視の下、行動すること。そして対無邪気な深源(イノセント・ゼロ)にふさわしいか実力を示してもらう。今年の神覚者候補になることがその証だ。もちろん失敗すれば即処分、あくまで猶予だ」

神覚者候補になることを条件に、猶予を与えるということだ。

「なるほど、了解しました。でも校長の思いを体現して僕がみんなと平和に暮らすにはそれだけじゃダメでしょう」

マッシュはおもむろに拳を床に叩きつけた。

辺りに砂埃が舞う。

煙が晴れた時、レインとAは校長を庇うように片腕を広げていた。

「イノセントペロを僕がボコボコにします。グーパンでね」

＿別の日の夜。

「レインくん、Aちゃん」
「一度実家に帰りたいんですけど」

双子が瞳を少し開いた。

「一度実家に帰る？選抜試験直前のこのタイミングで帰る？本気かお前？」
「ごめんなさい…かかかか帰らないです」
「レイン、ダメだろう後輩を怖がらせたら」

Aがレインを説得し、許可が下りた。

どっちが上やら。

＿＿マッシュの実家付近の森

「ウフ、おジャマさせてもらいますヨォ。アベルを魔法を使わずに完封なんていてもたってもいられないじゃなぁい。その子の名前何て言ったかしら？」
「マッシュ・バーンデッドです」

チェロロがその名を告げた時、黄金色の刃と鼠色の刃が雨のように降り注ぐ。
全てを捌き切ったあと、マカロンは2人に声をかける。

「あら、アンタたちがお守り役ってわけ？」
「たまたま通りかかっただけだ」
「こちらから汚い笑い声が聞こえたもので」

さらりと挑発をするA。

マカロンが顔を不愉快一色に染めた。