『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』 【MASHLE】

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てか、妹のことを思い出したらって言った？

どう思いだしたら頭をぶつけることになるんだい？




ちょっとお姉さん、心配になるレベルだよ。まじで。








「お前、名前は？」



『ぇ…ぁー、A･キャッシャーです…』







流石に本名そのまま言うのは、神覚者ってバレそうだし何て思い咄嗟に思いついた苗字をそのまま言う


当の本人は、A…？と頭を傾げてたが、神覚者になって日が浅いからかそこまで追求されることはなかった








「…俺はランス･クラウンだ
時にA、この世で1番尊いものはなんだ」



『クッキー』



「違う」







即答されたよ。


この世で1番尊いものなんてクッキーしか思いつかないよ






『ぁ、マンドラゴラのクッキー！』



「違う」



『分かった！
チョコチョコまみれクッキー！』



「違う」



『うーん
ウルフとハーブのk…』



「違う」







ひどい。

まだ言ってる途中だったじゃん




クッキーが違うなら何よ！！

もう思いつかないよ！！





あれ。

待てよ？



さっき、妹のことを思い出して頭ぶつけたみたいに言ってたよね？


え、まさか

まさかまさか…






『…ランスくんの…いも…うと…？』






私がそう言った瞬間だった


キラン！とランスくんの目が光り、気付けばランスくんの顔がドアップで目の前にあった



うお、ちけぇよ







「そうだ
この世で1番尊いのは俺の妹だ」



『…うん…まぁ…うん』






なるほど。

このイケメンくん、シスコンだ


残念イケメンだ







「見ろ、可愛いだろ」






そう言われ、目の前にロケットペンダントがかざされる




だから、ちけぇって

ぼやけてなんも見えんわ

てか、あんたの手で隠れとるわ







『んー？ｯ!ぇ、かわよ
え、やば、激かわじゃん』







ちょっと待てよ


前世どんな行いをしたらこんな可愛い顔に生まれてこれるんだい？


いや、羨ましすぎだろ







『そりゃ、シスコンになるわな
納得だわ、ハンスくん』



「ランスだ」









顔良し

魔力量良し

妹思い(少し行き過ぎているが)良し



うん

やっぱりこの子神覚者候補でいいなと思う






まだ試験始まってすらいないが、帰るか



そう思ったとき、突然、壇上の方で声が聞こえたかと思いきや炎の渦が巻き上がった









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