『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』【MASHLE】 (ページ33)

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ゴンッと鈍い音が響いたと同時に、頬に鈍痛が走った

『っ…大…丈夫？…フィンくん』

「A！」

「ぇ…A…ちゃん…？
それに…マッシュくん…？」

庇うようにフィンくんの前に立ち、キャベツ野郎の拳を受ければ驚いたような顔をするフィンくん

マッシュくんと私を交互に見ていた彼だったが、段々と腫れていく私のほっぺを見て次の瞬間、彼はあわあわと慌てだした

「ぁ…Aちゃん！ほっぺが！腫れて！
あぁ！可愛い顔が！」

『ん？あぁ、別に大したこと…いてっ…』

「あぁ！兄さまが怒り狂う！」

「あばばばば」

大したことないよ。って言おうとしたら、ズキンっと口の端が傷んだ

と同時に血の味がしてくる

これ、口の中切っちゃってるな

てか、フィンくん、レインがなんて？

なんか言ったよね？

あれ、聞き間違い？

『それより…フィンくんの方が大丈夫？
ボロボロじゃん』

「僕は…大丈夫だから…」

『とりあえず、これ使って
あ、レインから貰った物だから安心してね』

そう言ってうさぎのハンカチを渡せば、ありがとう。と言ってへにゃりと笑いそれを額に当て始めた

「ねぇ、何してたの？」

ふと、マッシュくんがキャベツに向かってそう尋ねた

“何をしていたのか”

まぁ、聞かなくても一目瞭然だがな

それに申し訳ないけど、私たちは一部始終を見ていた

言い訳は出来ないと思った方がいいと思うよ

だが、そんなカレの言葉に焦る様子も、私たちが現れたことに驚く様子もなく、キャベツは至って落ち着いて口を開いた

「謝ってもらってたんだ
彼が調子にのっちゃったからね」

『は？謝る？』

え？何を？

フィンくんは、キャベツに何を謝る必要があるの？

存在が尊くてごめんねってこと？

それとも、歩いてるだけで可愛くてごめんねってこと？

「まぁ、君は誰か分からないけど急に飛び出すのはいけないよ
フィンくんに当てるつもりだったんだけどね、君が飛び出してくるから避けきれなかったのさ」

いや、言い訳いいから謝れよ

殴ったことには変わりないじゃん

「大丈夫？フィンくん」

「うん」

「でも傷が…」

ふと、後ろで2人のそんな声が聞こえた

早いところ医務室連れてった方がいいよなぁ…

こいつの処分は、後からどうにでもなるし

そう思った時、フィンくんが口を開いた

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