『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』【MASHLE】 (ページ31)

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『何てことだ！
迷子になってしまった！！』

またまた次の日の放課後

どうやら、今日私が移動教室の時に魔法薬学の教科書を返しに来てたらしく、シュークリームと共に教科書が私の机の上に置いてあった

ただ、問題なのは…

『これ…フィンくんのじゃん
しかも、魔法動物学の教科書だし』

どこをどう間違えたら魔法薬学の教科書と魔法動物学の教科書を間違えるんだい？

ん？？

ってことで、放課後に1年生の教室まで行って返しに来たというわけだ

フィンくん、困ってないといいけどなぁ…

ちなみに昨日も会ったフィンくんは、あのレイン･エイムズの弟だ。

レインと仲がいいこともあり、自然とフィンくんと話すようにもなったが、まぁ、何せ学年が違うものだ

正直なところ、去年はほとんど交流がなかったと言っても過言では無い

『私の事、覚えててくれてたかな？』

どうしよう

貴方、誰ですか？なんて言われたら。

お姉さん、悲しくて泣いちゃうよ

いや、でも、昨日会ったわけだし！

私の聞き間違いじゃなかったら、私の名前呼んでたはずだし！

1人でそう頷いていれば、ドンッと壁にぶち当たった

「いて」

『あう』

訂正

それは壁ではなく、マッシュくんだった

『ぁ、マッシュくんだ』

「ぁ、Aだ
何してんの？」

『いや、これ
フィンくんのだよ』

そういえば、じゃあ、僕が持ってる教科書は…なんて言って持っている教科書を見つめるマッシュくん

うん

それ私のだね

付箋いっぱいついてるでしょ？

そんな事を思っていると奥の方から、鈍い音が聞こえた

「なんだ、今の音」

『なんだろ
誰か落っこちた？』

そんな会話をしながら音のした方へ向かった瞬間、2人して足を止めてしまった

「間違えたら頭をつけないと
ね？フィンくん」

「うっ…」

『ｯ!』

何…してんだ…？

私は、自分の目に映っているものに驚愕した

信じ難いが、フィンくんの身体に複数の糸が絡みつき、自ら頭を打ち付けるように操作していたのだ

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