『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』【MASHLE】 (ページ23)

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『あー！疲れたぁ！』

全く

初日から先生に当てられるとか聞いてないよ

予習どころか1年の復習もしてなかったから、恥をかいてしまってぜ。

私、呪文学ってどうも苦手なんだよね。

何が楽しくてあんな早口言葉みたいなやつをつらつらと覚えなきゃいけないのか本当に分からない

そして、何でこんなにも寮へ行く道が長いのかも分からない

『ん？何で私、研究室にいるんだい？』

全部魔法薬学になればいいのなぁ…なんてボーッと考えてたらいつの間にか研究室の方に来ていた

ふむ。

おかしいな。

寮へ向かおうとしてたんだけどな、私

ほんと、ここって訳わかんないぐらい広いよね

同じ敷地内に初等部と中等部の建物もある訳だけどそっちも意味わからないぐらい建物でかかったし広かったし

あー、恐らくこれは迷ってしまったー

大変だー

一大事すぎるー

さて、どうしようか

うむむ…と考えていた時、とんっと誰かに肩を叩かれた

振り返るとそこには、水色がかった銀髪の少年が立っていた

『ん…？あぁ！君あの時の！』

誰かと思ったら君あれか！

編入試験の時にいたシスコンくんだぁ！

やぁやぁ！

無事に合格できたんだね！

おめでとう！

『こんな所でなにしてるだい？
ぁ、私はね迷子なんだ！
寮の方に行きたいんだけど連れて行ってくr…わっ！』

ドンッと音がした。

自分が壁に押し付けられた音だと気づいたのは、ぐるっと視界が反転し背中に硬いものが当たったからだ

次に、左頬の横にトンと白い腕が置かれ、私の視界にはランスくんの顔が入ってきた

何が起こったか分からなかったけど、私は今、ランスくんに壁ドンをされているって事は理解出来た

え？

壁ドン？

何で私、今、ランスくんに壁ドンされてるの？

『ぇ…あの…』

困惑している私を他所に、ランスくんは眉間に皺を寄せて口を開いた

「やっと見つけた」

ん？

何を？？？

何か見つけたの？？

美味しいクッキー？？

それなら私も欲しいな！

そう思ったが、どうやら違ったみたいだ

何故か、私のことを見つめている瞳が一層近くなった

『ぇ…ぇ…ぁの…近い…です…』

いくら何でも貴方みたいなカッコイイ人に見つめれたら私も心臓もたないです、はい。

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