『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』【MASHLE】 (ページ19)

今日:37 hit、昨日:58 hit、合計:19,538 hit

story-17 ページ19

･

釣られて周りも上を向く

僕も上を向くと、そこには宙に浮いているおじいさんの姿があった

それを見て驚いた声をあげるルッチ先生

いつから居たのかはわからないけど、悪態をついていたのを見られたのは確実だろう

何故ならおじいさんの眉間に、皺が寄ってたから。

「校長…！なぜここに…」

ふむ

ただの浮かんでいるおじいさんかと思いきや、校長先生らしい

校長先生の姿を見ると、Aさんは立ち上がって口を開いた

『校長、すみません
我慢できずに飛び出しました』

「いや、君の判断は正しかった
よくやってくれた」

Aさんにそう言ったかと思いきや、突然ルッチ先生の方を向くおじいさん

どうやら、この先の最終面接はこのおじいさんが監督をしてくれるらしい

少しだけホッとした自分がいた

危うくもう少しでルッチ先生の杖を折るところだったからな。

このまま試験官を続けていたら、遅かれ早かれ多分僕は先生の杖を折っていただろう

現にさっき折ろうとしようとしたわけだし

Aさんの登場があと数秒遅かったら僕があの先生に罰を与えてたな。

まぁ、先生だし流石に手を出すのはあれだと思って手は出さないけど最大限の反抗ということで杖を折ることはできるだろう

『あー、眠い』

そんなことを思っていると、欠伸をしている彼女の姿があった

その姿を見つめていると、ふと目が合ってしまった

『ぁ、キノコくんじゃん』

「…どうも」

僕のこと、覚えててくれたみたいだ

けど、何故そんなに僕を見つめているのだろうか

やはり魔力がないことを気づかれたか

それともこないだアザがない状態で街に出向いたから、アザを書いてることが今になってバレたのか…

迷路の壁なんかぶち破っちゃったから、イーストン魔法学校に相応しくないどころか、友達になるの取り消しとか言われたらどうしよう

「何か…凄い人…なんですね…
Aさんって…」

『別にそんなんでもないよ
後…Aでいいよ
そういえば君の名前聞いてなかったよね？』

「マッシュ･バーンデッドです」

タメでいいよ。何て言われたから、じゃあ、お言葉に甘えてなんて言ったら笑われた

なんでだろう

･