『神覚者である彼女は、魔法界一の変人と言われている』【MASHLE】 (ページ16)

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これは…神覚者として。

いや、イーストン魔法学校の先輩として見過ごせない

「A…？」

ふと、急に黙って向こうを見つめている私をおかしいと思ったのか。

私の名を読んで顔を覗き込んでくるランスくん

相変わらず、イケメンだね、君

多分、10人の女子にそれやったら9人は惚れちゃうと思うよ

あ、私は惚れない1人ね。

『ごめん、ランスくん
私、行かなきゃいけない』

「ぇ…？ぁ、おい！」

後ろで私の名を呼んでいるランスくんを振り切って、キノコ頭くんたちの元へ走る

前を見ると、あの教師が何やら魔法を唱えて火を起こそうとしていた

あくまでも力でねじ伏せるってわけね。

どこまでも汚い大人だね

「さぁさぁ！どうした！
悔しかったらこの炎を消してみろよ！」

奴がそう言った瞬間、杖を回転させる

とりあえず、水でもぶっかけて頭冷やさせるとしよう

『ラバッシュ』

突如、上空に水の塊がいくつも現れる

浮かんでいたそれは、私が杖を一振した瞬間、見事汚い大人の真上に落ちた

バシャンと物凄い音がし、辺りがシーンも静かになる

ぽたぽたと雫が奴の髪の毛から滴れ落ちる
地面には、水たまりができていた

何が起こったのか理解できないように、唖然としたまま突っ立って動かない奴の後ろに立ち嘲笑する

「ぇ…ぇ…？」

『何？この弱っちぃ炎
ロウソクの火すらつけれなそう
魔法使うまでもなかったな〜』

「な、何するんだ！貴様…！
お…俺は試験官だぞ！」

『…試験官…？
はっ、この期に及んでまだ私のことが分からないの？』

私の姿を見るなり杖でこちらを指さしてくる先生

はぁ…人を指さすとは…

しかも、私こう見えて神覚者ですぞ。

流石に髪の毛縛ってるとはいえ、顔見てわからんもんかね。

それにあんたに、お前呼ばわりされる筋合いないんだけどな。

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