疲れてた日 ページ15
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重岡side
ライブのリハーサル中
外周や花道を通って位置確認をしている時
スピーカーから"キーン"という
頭が痛くなるほどの音が聞こえた
誰かがマイクを落としたんやろう程度に思って
辺りを見回し音の主を探す。
「A!!!!」
その声がした方に目を向けると近くにいたJr達が
次々にステージを慌てて降りて行くところが見えた
マイクを落としたであろう音。Aの名前を呼ぶ声。
まさか....っ！
なんて考えているうちに俺の足は勝手に動いていた。
地面に横たわってぐったりしてるAが見えた瞬間
息が詰まるような感覚に襲われた
「っA!!大丈夫か!?ゆっくり呼吸しろよ!!」
すぐにメンバーやスタッフが集まり
救急車を呼んだり、Aに声をかけたりしている中
唖然として動けなくなっているJrの子もいた。
そして当の本人は意識が朦朧として
俺らの声に頷く余裕すらも無い様子やった。
そんなに高い場所から落ちた訳では無いが
運悪く頭から落ちたらしい。
「すみません。俺がちゃんとAちゃんの事見とけば...」
1番近くにいたJrの子が辛そうに言った
「お前のせいちゃうよ。」
そう返している間に救急車が到着した。
"大丈夫や"
Aにか、メンバーにか
それとも自分にか、俺が呟いた言葉は
どこにも響くこと無く消えていった。
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作者名：Kyaki | 作成日時：2022年8月18日 14時
