青魚の彼女ちゃん【Fischer's】

38話 ページ42

夫婦。っていいなあって思う


恋人とはやっぱり違う、そういう何かがある
Aを見てももう、【奥さん】という顔をしている。




『マサイ、ご飯できたよ？』



なーんて寝ながら考えていたらAが起こしに来てくれた。なんかこういうのが夫婦って感じ

…今までと変わらないけど。



ﾏｻｲ「ん、いい匂いする」


『魚が上手く焼けたの。温かいうちに食べよ？』



幸せってこういうことなんだろうな。
Aも幸せそうな顔をしている。



『なんか、にまにましてるけどどうかした？』



ﾏｻｲ「なんでもない笑ご飯食べよ」


手を繋ぎながらリビングまで行く。
この瞬間がとても幸せなのだ



『魚もだけど、卵焼きも上手くいったの。ふっわふわだよ？』




嬉しそうな顔をしながら、話す君を見ていると
本当に結婚して良かったと思う。



ﾏｻｲ「いただきまーす…ん！！旨い！！」



『ふふ、美味しい？良かったー』



旨すぎて食べる手が止まらない。
マジで旨い。


『この魚ねー、実家から送ってもらったの。私も子供の頃すっごく好きでお母さんに毎日焼いてもらってたの』



『…でね、お母さんにいつもね』



《あなたが結婚した相手にあなたも作ってあげなさい》


《結婚相手？》


《そうよ、作り方教えてあげるわ》





────『って。だからマサイに作れて良かった』





そうやってにこにこしながら伝えてくるAが愛おしく感じてしょうがない。


ﾏｻｲ「ありがとう、俺に作ってくれて。」




『マサイ以外の人に作りたくないよ、笑』





にしし、と悪戯っ子のように笑うAは
子供に見える。…子供か。Aはかんがえているのかな、



『…マサイ、』




ﾏｻｲ「…ん？？」



『米粒ついてるよ？ふふ』




俺の妻が可愛い。

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