二十二 ページ24
『山本先生、おはようございます』
シ「あら、おはよう。忍び装束、自分で着れたのね」
『はい』
朝ごはんは食べたかと聞かれた。いつも食べていないので大丈夫です、と答えると、
シ「ダメよ?朝ごはんはちゃんと食べないと」
と言われ、腕を引かれて食堂に連れてこられた。
シ「魚と卵、どっちが好き?」
『あ、卵が好きです』
シ「じゃあ、魚と卵、一つずつお願いします」
がやがやしてはいるけど、冷たく重苦しい空気の朝の食堂。生徒たちの視線がとても痛い。
山本先生はにこにこしてるけど、私、完全にアウェーのぼっちですから。
シ「はい、おまちどうさま」
『あ、ありがとうございますっ』
ほかほかと湯気を立てる定食を受け取り、山本先生と向かい合わせに座って食べ始めた。
朝から温かい固形物を食べるのなんて久しぶりで、噛みしめるようにして食べた。本当に美味しくて、なんだか涙が出そうになった。
感動して無言で食べ進める私を見て、山本先生は
シ「美味しいでしょう?おばちゃんの作るご飯」
と笑顔で話しかけた。
『はいっ。こんな豪華な朝ごはん、久しぶりです』
シ「あら、いつも何を食べてたの?」
『前は、朝は時間が無かったので、ひたすら水を飲んでました』
シ「水?」
『はい。なので、本当に美味しいです。朝ごはんが』
上手く笑えてたと思うけど、私のトンデモ食生活を話したら山本先生は若干引いていた。
とにかく、今日からはお仕事だ。
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まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時