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三十六 ページ38

吉野先生


吉「では、今日はここまでにしましょう。お疲れ様でした」


小「お疲れ様でしたぁ!」

『お疲れ様でした』



生徒たちの授業が終わり放課後になる頃には、もう仕事という仕事も残っていなかった。
疲れも普段の半分なのは、若草さんがいたおかげなのかもしれない。

しかし、心労はあった。



小「りりこちゃんは、これから何するの?」

『図書室に行きます』

小「そうなんだぁ」


仲良くお喋りをする二人。
小松田くんを呼び、こちらに来させた。


『私はこれで…お先に失礼します』


これからの事を敏感に察知した様子の若草さんは、部屋を出ていった。小松田くんは何も知らず、またね、と手を振っていた。

私の中のいったい何がそうさせるのかは知らないけれど、聞き難い、聞きたくない、と心の中ではひどく葛藤していた。
しかし、聞かないわけにはいかない。


吉「小松田くん、どうでしたか?彼女と一日働いてみて」


小松田くんは、考える間も無く


小「りりこちゃん、凄いですよ!テキパキ仕事をして、お話も面白いし、頭も良いし!」


素直すぎる答えに面食らったが、気を取り直して


吉「もう二人は友達のようですね。よかったです。彼女とは、何か話したんですか?」


と、切り込んだ質問をしてしまった。
小松田くんは、先程と違い少し黙ってからゆっくりとした口調で話し始めた。


小「りりこちゃんは、僕をバカにしないで、ちゃんとお話してくれるんです。それだけじゃないですけど、友達になりたくて…
それで友達になろうって言ったら、頷いてくれたから、お昼ご飯を一緒に食べました」

吉「昼も、食堂で楽しそうにしてましたね。安心しましたよ」


安心したのは本当だ。
前までの天女がアレだったもんだから、実はずっと心配していたのだ。他の先生方から聞く限り、若草さんが只者ではないことが分かっていたから、もし万が一のことがあったら、と心の中で祈っていたのだ。

だが、それは杞憂だったようだ。
若草さんは小松田くんには何もする気は無いことが、今の小松田くんの話す様子から見て取れた。

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まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時

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