鬼の秘書三【文豪ストレイドックス】 (ページ22)

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１０８．ページ22

乱「なるほど……そういうことか……

組合は僕たちと同じように罠を疑ったはずだ。

しかし彼らは食いついた。あまりにも餌が魅力的だったからだ

……何で組合を釣った？」

『ふふ……名探偵とは名ばかりではないようですね』

緊張感が漂う中、先に口を開いたのはAだ。

『探偵社の社員以外は今、騒動に巻き込まれないため身を潜めているらしいですね』

乱「まさか……」

『我々は手段を選びません……そちらの事務員さんを少し使わせていただきました』

探偵社の者達はそれを聞いて顔を酷く歪ませ驚く。

福「事務員を餌にしただと？！」

中「すぐ避難させりゃあ間に合う

その上、組合はお宅らが動くことを知らねえ

楽勝だ」

『こういうときは、真実が一番効きますからね

穴だとわかっていても、探偵社は落ちずにはいられない……

首領のお言葉です』

Aは最後のカメラを破壊し、その場を去ろうとした。

与「待ちな」

『まだ何かご用で？』

与「アンタ等、それを伝えるためだけにここに来たってのかい？」

中「それ以外にここに来る用なんかねえだろうが」

『……どうしてそう思います？』

与「さっきも云ったはずだよ、あたし等は探偵だってね」

『……中也、先に戻ってて』

中「いいのかよ」

『問題ないわ、何かあれば始末するだけ』

中「……さっさと済ませろよ」

中也はその場を立ち去る。

与「それで？」

『貴方方の危機察知能力は優れているようで安心しました

本題ですが、近々この横浜は地獄と化します

忠告しましょう、樹木には触れない方が身のためです』

与「樹木？一体どういうことだい」

『これ以上は云えませんよ

探偵ならば、自力で答えを探し出すのですね

それでは失礼します』

Aは与謝野に背を向けその場を去った。