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ル「はい、おしまーい♡」
ルーシーは結果に満足したのか、途端に可愛らしく振る舞い始め____
ル「それでおじさまとお姉さまはどうなさるの?
お二人の言葉のおかげで、虎の彼に逃げられずにすんだわ
だから感謝の印に見逃してあげてもいいわよ」
その時________
アンの巨大な手にAが捕らえられていた。
『え……?』
森「!Aちゃん!!」
『森さん!』
首領はAに手を伸ばすが間に合わずAはそのまま奥の扉に閉じ込められてしまった。
ル「あらやだアンったら、そんなにお友達がほしかったの?
じゃあ仕方がないわね〜
おじさまもアンに捕まったらどんな顔をなさるのかしら」
アンの巨体が首領にゆっくり迫ってくる。
ルーシーに振り向き、これまでにない低い声で首領が云う。
森「____試してみるかね?」
ル「!」
一瞬、ルーシーは恐怖を感じる。
ル「(何?何なのこれ?脚が震えて動けない
これは、殺気?
でも……アンまで動けないなんて……)」
首「無理だな
なぜなら君はすでに負けている。ドアを見るといい」
と奥の扉を指す。
ル「?」
ルーシーが見つめる中、奥の扉の風景が奇妙に歪み始める。
そして”閉じた扉”の幻が消え_____
巨大な人形の手に捕まりながらも、敦の手足の突っ張りにより”開いたままの扉”の実体が現れる。
Aもさっき咄嗟に人形の腕から抜け出し、すでに首領の横まで戻ってきていた。
ル「なにっ!?ドアは確かに閉まったはずなのに……
あの女も確かに捕まえた……どうして!?」
ドアにしがみついたままの敦が苦しそうに云う____
敦「君の見落としは一つ……
この戦いは最初から2対1だ」
ル「!」
扉の奥の部屋の中、谷崎が手を掲げて異能力を発動させている。
敦「ドアが開いた瞬間に、谷崎さんの細雪で扉の映像を擬装した」
ル「そんな……
そのうえ部屋へと吸い込む力に腕力だけで抵抗するなんて____」
敦「君は思い違いをしている
僕は強くも人気者でもない。むしろ生きる事はずっと呪いだった
だから他人を妬み怨む君の気持ちはよくわかる……
本当は君にこの作戦を失敗して欲しくない、居場所を失って欲しくない!」
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時