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89. ページ1

ル「はい、おしまーい♡」



ルーシーは結果に満足したのか、途端に可愛らしく振る舞い始め____



ル「それでおじさまとお姉さまはどうなさるの?


お二人の言葉のおかげで、虎の彼に逃げられずにすんだわ


だから感謝の印に見逃してあげてもいいわよ」



その時________



アンの巨大な手にAが捕らえられていた。



『え……?』



森「!Aちゃん!!」



『森さん!』



首領はAに手を伸ばすが間に合わずAはそのまま奥の扉に閉じ込められてしまった。



ル「あらやだアンったら、そんなにお友達がほしかったの?


じゃあ仕方がないわね〜


おじさまもアンに捕まったらどんな顔をなさるのかしら」



アンの巨体が首領にゆっくり迫ってくる。



ルーシーに振り向き、これまでにない低い声で首領が云う。



森「____試してみるかね?」



ル「!」



一瞬、ルーシーは恐怖を感じる。



ル「(何?何なのこれ?脚が震えて動けない


これは、殺気?


でも……アンまで動けないなんて……)」



首「無理だな


なぜなら君はすでに負けている。ドアを見るといい」



と奥の扉を指す。



ル「?」



ルーシーが見つめる中、奥の扉の風景が奇妙に歪み始める。



そして”閉じた扉”の幻が消え_____



巨大な人形の手に捕まりながらも、敦の手足の突っ張りにより”開いたままの扉”の実体が現れる。



Aもさっき咄嗟に人形の腕から抜け出し、すでに首領の横まで戻ってきていた。



ル「なにっ!?ドアは確かに閉まったはずなのに……


あの女も確かに捕まえた……どうして!?」



ドアにしがみついたままの敦が苦しそうに云う____



敦「君の見落としは一つ……


この戦いは最初から2対1だ」



ル「!」



扉の奥の部屋の中、谷崎が手を掲げて異能力を発動させている。



敦「ドアが開いた瞬間に、谷崎さんの細雪で扉の映像を擬装した」



ル「そんな……


そのうえ部屋へと吸い込む力に腕力だけで抵抗するなんて____」



敦「君は思い違いをしている


僕は強くも人気者でもない。むしろ生きる事はずっと呪いだった


だから他人を妬み怨む君の気持ちはよくわかる……


本当は君にこの作戦を失敗して欲しくない、居場所を失って欲しくない!」

90.→



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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時

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