鬼の秘書〜番外編〜【文スト】

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ようやく元の場所に戻ってくると、既に鴎外がそこで待っていた。








森「あ、ようやく来たね」








中「あ、首領。線香ありがとうございます」








森「え？私、渡したっけ？」








中「え？Aが先程受け取りに行ったはずじゃ……」








Aはそーっと目線を外した。








中「……A、お前この線香どこから持ってきた？」








『……さっき、太宰から……』









中「太宰だと！？？」








森「おや、太宰君が来ていたのかね」








中「こんな線香ぜってー使ってやらねー」








中也は線香を怒りに任せて折ってしまった。









森「まぁまぁ、墓参りも済んだことだし。そろそろ帰るとしよう」









『はぁ……ようやく帰れる』









A達は墓参りを済ませ、墓地から去って行った。









ふと後ろから気配を感じ振り返るも誰もいない。









中「どうかしたか？」








『……いえ、何でもないわ。帰りましょう』








Aはそう云うと、少し足取り軽く歩きだした。








紅「なんじゃ。やけに機嫌が良いのう」








中「やっと帰れるからじゃないっすかね」









A……お前が幸せそうで何よりだ。元気でな＿＿＿＿＿＿＿＿＿









『織田作もね……』








今日はお盆。死者の魂が現世に帰ってくる日。








大切なあの人ともう一度会えるかもしれません＿＿＿＿＿＿＿

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