鬼の秘書 五【文スト】

２０． ページ21

ポートマフィア本部ビルに帰ってきたA。






会議室には首領しかそこにはいなかった。







森「おかえりA君。では報告の続きを聞かせてもらおうか」







『はい。Aが殺された後、ドストエフスキーはAの宝石庫へ向かい、これを捜していました』







Aは鴎外に、異能者リストを手渡した。







森「これは？」







『これはAがポートマフィアに謀反のため集めていた我が組織の異能者リスト。





これには首領の異能の事まで細かく明記されていました』







森「そうか……それで、ドストエフスキーはこれを捜していたと云ったね？」






『はい……これを手に入れたドストエフスキーは何故か私にこれを大人しく差し出しました。






何か裏があるに違いません。奴が大人しくこれを返すなんて……』







森「慥かにそうだね……






これは早々に処分した方が良さそうだ」







鴎外はその異能者リストを手にすると、後ろの暖炉の中に放りこんだ。







資料は炎に焼かれ灰となって跡形もなく消えていった。







森「リストはなくなった。けれど注意が必要だ。





全幹部に伝えてくれるかい」







『既にそこは手を打たせて頂いております』






森「君は相変わらず私の行動を先読みするのが得意だね」







『褒め言葉として受け取っておきましょう』







鴎外は暖炉の中の炎を見つめて険しい顔つきになっていた。






それはこれから起こることを判っているかのような＿＿＿＿＿＿＿＿＿

２１．→←１９．

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す