鬼の秘書 五【文スト】

２． ページ3

しばしばのお暇を貰ったAは、何もすることがないので自宅に帰ってきていた。






家には誰もいなく、仕事着を脱ぐとリビングのソファに横になる。






『はぁ〜〜〜、暇を貰ったはいいけれど、何もすることがないしなぁ……』






その時、Aの携帯に着信が入った。






『はい、中原です』






中《俺だ》





『中也？どうかしたの？』






中《いや、お前が休暇を貰ったって首領から聞いてな》






『えぇ、それがどうかした？』






中《お前の事だからやることがなくて退屈してるだろうと思ってな。





少し頼みがある》






『頼み？』






Aは中也からその内容を聞き、少し嫌な顔つきになる。







『それ、芥川君にでも行かせればいいじゃない。





どうして私なのよ』






中《芥川は今太宰の野郎に呼び出されて別件で調べ物をしてるらしい。





さっき頼んだら断られた》






『……太宰が優先、ってことね。





わかったわよ。丁度退屈していたし、その頼み引き受けるわよ』






中《すまねえな。俺が頼まれたことだが、どうしてもお前が良いらしくてな》






『はぁ……１０分後に到着しますと伝えて頂戴』






中《了解》







そこで通話は切れ、Aは一つ盛大な溜息を吐いて出かける準備を始めた。

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