嘘だらけの世界【文スト】

２５． ページ26

あれから数日が経った＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





フョードルが外出先から帰ってきた。






フョ「ただいま戻りました。良い子にしていましたか？」






『私を子供扱いする気？』






フョ「まさか。貴方は立派な大人の女性ですよ」






『……それで？上手くいったの？』






フョードルは口元を不気味に歪ませながら笑った。







フョ「勿論です。”共食い”は、もう既に始まっています」






『穴だと判っていても、落ちずにはいられない……』






かつて森鴎外の云っていた言葉を思い出す。






『上手くいっていると思う時ほど油断は出来ないけどね。





思わぬところで邪魔が入るのは、争い事のお約束パターンよ』






フョ「勿論、手は打ってありますよ。





ゴンチャロフさんには既に向かって貰っていますので」





『あぁ……あの忠誠心も何もないウイルス異能者の処ね。





いいの？あんなやつ信じて。敵に捕まったら直ぐに吐くわよ』






フョ「ご安心を。彼には必要最低限のことしか伝えていません。





我々の計画を知る術は、最早存在しません」






『相変わらずなまでに用意周到ね……




つまらない遊戯はお断りよ』






フョ「えぇ、楽しませますよ」

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