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『……ん……(ここは……)』
Aが目を覚ますと、目の前にはAを気絶させた男性がそこにいた。
「やあ深田さん、目が覚めたかい?」
Aが手を動かそうとすると、手は後ろでしっかりと縛られていた。無理矢理解こうとすると手に縄が食い込んで痛い。口もガムテープで塞がれていた。
「ごめんね、手荒な真似しちゃって。こうでもしないと君、逃げちゃうでしょ?」
Aはその時、初めて今自分がいる部屋の中を見て、驚愕した。
壁一面に、自分の写真が貼られていたのだ。
寝顔、笑顔、真顔、驚いた顔、その中には着替えの途中の写真などもあった。
『(なるほど、よくいるストーカーか……)』
部屋にある時計を見ると、9時を指していた。
『(あぁ、出社時間とっくに過ぎてるじゃないですか……
国木田さんに怒られちゃうな)』
「ねえ深田さん、僕の君への愛が伝わったかな?
大学の講義で君を見た時、一目惚れしたんだ。
君が他の男と話して居るとき、僕は気が狂いそうだったよ」
Aは男性を眉をひそめて睨んだ。
「ふふ、そんな目をしないでよ。それにしても……」
男性の手は、Aの体に巻いているバスタオルに手が掛けられた。
「こんな格好してさ、誘ってるんでしょ?安心して、優しくしてあげるからさ」
男性の甘い声がAの耳元で囁かれる。
しかしAにとっては、”気持ち悪い”の一言だった。
男に犯 されそうになったとき、Aの頭には一人の人物が頭に浮かんだ。
黒いボサボサの蓬髪に、砂色の長外套を纏い、全身に包帯を巻いた、自 殺嗜癖の変人。
いざとなったらいつも助けに来てくれる人。
『(助けて……太宰さんっ)』
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東湖(プロフ) - 太宰さんの、汚すのは私の役目だってやばいですね!! (2020年1月5日 21時) (レス) id: 5739d3a9ab (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 闇雲?瑠璃さん» ありがとうございます!これからも頑張って更新しますので応援よろしくお願いします! (2018年10月26日 22時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
闇雲?瑠璃(プロフ) - 紫陽花さん» 全然オ−ケ−です!感激して頂いて感激です(*´▽`*) (2018年10月26日 21時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 闇雲?瑠璃さん» 予想以上で感激です!素敵な絵絵をありがとうございました!こちらは作品内での公開はOKでしょうか? (2018年10月26日 21時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
闇雲?瑠璃(プロフ) - 紫陽花さん» できましたURLはこちらから(image:http://uranai.nosv.org/uploader/common/1/3/5/1358575d54ad009832c2dda94fa8d63c.jpg) (2018年10月26日 17時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月2日 22時