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昇降機を降りる途中、今まで無言だったAがようやく口を開いた。








『驚きましたか?』








織「安吾の事か?」








『えぇ……昨日の今日でいなくなってしまうなんて、展開が早すぎて脳が追いつきません』








織「安吾は必ず見つけ出す」









『……貴方が最下級構成員であり続けるのが不思議です。







その気になれば幹部だって狙える力を持っているというのに』








織「生憎、そういうのには興味がない」








『そうですよね……小説家になりたいのでしたっけ』








いつか織田作の夢を聞いたことがあり、ふと思い出した。









織「あぁ……だから人は殺さない」








『貴方らしいです……』








織「……何かあったのか?」








『え?』








織田作がいつもと違うAに違和感を抱き問いかけた。そんな質問にAは笑って答えた。








『少し疲れただけです。昨日は結局深夜まで作業していましたから』








織「そうか。無理は禁物だぞ。お前は強いが、それ以前に女性だ。







体を壊す前にしっかり休めよ」








織田作はAの頭を微笑みながらなでた。Aは織田作のその行為に不覚にもときめいてしまった。







織「顔が赤いが、風邪か?」








『……貴方ってほんとそういうところありますよね』








織「?」








そんな話をしていると昇降機の扉が開かれ玄関ホールに辿りついていた。









『それじゃあ織田作、頼ましたよ』








織「あぁ、何かあれば報告する」








Aは織田作の背中が見えなくなるまで見送った。








織田作の姿が見えなくなった後、一瞬で表情が曇った。









『……ごめんなさい、織田作』








周りの誰にも聞こえない声で小さく呟いた。

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(プロフ) - リゼロの作品を作って欲しいです (2019年2月10日 13時) (レス) id: e6531a4753 (このIDを非表示/違反報告)
榊の燕(プロフ) - このシリーズ見てていつも思うんですけど夢主の設定見てると鬼徹が脳内に浮かびます。このシリーズ好きですこれからも頑張ってください (2019年2月4日 23時) (レス) id: 1bf9cce919 (このIDを非表示/違反報告)
入水系女子の朝窪(プロフ) - 黒の時代読みたいと思ってたら続編出してくださって!!嬉しいです!!無理のないように更新頑張ってください♪ (2019年2月4日 3時) (レス) id: df0fb30e51 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 続編 御目出度う御座います!此れからも頑張って下さい。応援してます!あんまり気にしたらダメだけんね?更新待っとるばい! (2019年2月3日 20時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2019年2月3日 20時

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