アレンの過去編�� ページ7
「わざわざ主さんは血液や薬草を集めて僕を
主さんは微笑み、僕の頭を撫でた。
二人お揃いの白い髪。違うのは、僕は全身ほぼ真っ白だけれど、主さんには一筋だけ青い髪があるということ。
「私が寂しかっただけだから、良いのよ」
「寂しい時、僕なんかで元気になるの？」
「“なんか”ですって。もう充分、元気にして貰ってるわよ。アレノアは可愛いもの」
“アレノア”。主さんがつけてくれた名前だ。
“味方”という意味の
ノアのように賢く、他人に味方してあげられる、優しき獣になるように。
僕自身、獣として生きれば良いのか、人間として生きれば良いのか、分かっていないけれど。
主さんは“魔法が使える人間”だから、僕も人間のように暮らしてみたいなと思う。
ちなみに、主さんの名はベルントという。
「そう言えば、また髪が伸びてるのね」
「ほんとだ。魔獣の体質なのかな？ また前までくらいにして！」
「分かったわ。ぎりぎり一つに結べる長さよね」
僕は下の方で、ちょこん、と一つに髪を結ぶのが好き。召喚された時は短かったらしいけれど、僕は長い方が何となく落ち着くので好きだ。主さんも似合うと言ってくれるし。
主さんのセミロングも、可愛くて良いなぁと思うけれど……。
「主さん、大好き！」
「どうしたのよ、急に……私も大好きよ。いつもありがとう、アレノア」
「うん！ どういたしまして！」
＊
覚えたての言葉で人々と話すのは、思った以上に難しかった。
“いなくなって初めて、他人の有難味が分かる”
僕は主さんに常日頃、感謝していたつもりでいたけれど、いなくなってより一層その大切さを痛感するようになった。
主さんの遺言通り、お墓は街が見える小高い丘の上に作った。
人間でない者が作った小さな石のお墓。
道端で積んだ“ヴェールフラワー”という不思議な花を供えてある。
白い花弁に一筋の青。主さんにぴったりだ。
「主さんの青い……メッシュ、だっけ？ 凄く綺麗だよね。僕も真似してみようかな」
まだ、僕が何者なのかは分からない。
たくさん本を読んでも、分からない事だらけだ。
でも、この世界に来て良かったと僕は思う。
「会いに行こうと思ってる人がいるんだ。そこで雇って貰えたらなって」
僕――アレノアは、主さんに手を合わせた。
続く
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くろーさぎ(プロフ) - 百鬼＜ﾅｷﾘ＞さん» ご感想ありがとうございます……！！ はい、ヴェレスさん使わせて頂きますね！！ (2020年1月11日 20時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼＜ﾅｷﾘ＞(プロフ) - とっても面白いですね…！！コメント失礼します、村長のヴェレス・アーモンで参加しております百鬼です…！使い所があるかわかりませんが、うちのヴェレス使って頂いて大丈夫ですよ…！ (2020年1月11日 20時) (レス) id: ca05edce76 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 一糸さん» 素敵なお言葉をありがとうございますー！ 励みになります、頑張らせて頂きます！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
一糸(プロフ) - くろーさぎさん» うちの子日向を出していただきありがとうございます！！うちの子可愛い← これからも頑張ってください！！ (2020年1月3日 12時) (レス) id: 3013a3dfb6 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - にゃうだーさん» ありがとうございます！ そう言って頂けて嬉しいです、ありがたく使わせて頂きます！！ (2020年1月2日 10時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
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