？？？？？ ページ22
それを知ったのは、死者の檻から再び産まれてた時だった
ただ、それを悟られてはいけないと
本能で感じて何も知らない、なんなら忘れたふりをしていた
「スプリングってさ、魔力の泉って言うじゃん」
「なんすか急に」
「同じ寝室のよしみで」
「はぁ…で？何が知りたいんすか」
「私達みたいな存在ってさ、世界に必要とされてるなら。どうしてこんなにも雑に扱われるんだろうね」
ただ、世界を守るための柱。魔力の均衡を保つための器。それならば、天使や悪魔が密かに保護していればいい。けれど彼らは私達スプリングに接触を図った
コネシマはショッピの力を無理矢理に奪うような事をし、グルッペンも私の力が欲しいと言った。
結局、甘い誘惑に乗ったのは私達スプリングだったし、悪いのは私達で間違いない
「地獄に行って何をするって言うんですか」
「簡単だよ、もう。グルッペンを苦しめるような戯れ言を吐かないでって言いに行くの」
「死人に、ですか？」
「そうだけど…」
「聞くと思ってる辺りがアンタらしいっすね」
「バカにしてるでしょ」
ならば、私達の背負った罪や受けるべき罰は
素直に受け入れる必要がある
スプリングの背負う業を
誰よりも幸せになって世界を誰よりも愛さなくてはいけない使命
誰かの命を犠牲に成り立った幸せを
「そろそろっすね、地獄にある死者の檻。近くで見ると結構グロテスクっすよ」
「どんな感じ？」
「柘榴の果肉の中に沢山人がおる感じです」
「うわ」
「死人に失礼っすよ」
「その死人に苦しめられてるなら、仕方ないよね」
本来の役目を、果たすときが来たんだ
私は私が何者か、理解して終わらせる必要がある
とぷり、と海に浮かぶ月をイメージする
その月が蒼く静かに煌めいたかと思うと水平線が赤く染まり始める
今まで月だと思っていたそれは、赤い炎を音が聞こえるほどにまで燃やしていた
「命の光っすね」
「覗き見はちょっと」
「覗くまでもないっすよ、ほら」
魔力は集中するまでもなく視認できた
赤く熱く燃え上がる炎が、死者を閉じ込める檻を照らす
「ここに呼ばれていたんだ」
あの無数の声達は、ここから叫んでいた
死にたくなかった
まだ生きていたかった
ずっと生きていたかった
幸せになりたかった
幸せだったのに
どうして
自分が、私が、僕が、俺が
死なないといけなかったの？
許せない
お前のせいだ
こんな所に閉じ込められているのは
お前のせいだ
罪深き化け物よ
スプリングよ
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りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです！天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(？)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…？お金払わせてェ！ (5月31日 0時) (
レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます！ (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね！！うん！！でも続編かきたいね！！勘違いやわ！！ (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年10月12日 0時
