208，秘密にしよう ページ19
「ええねん、Aやないと嫌や」
「ゾムさん言うたやろ？俺とAちゃんは恋人なんやから、ゾムは…」
「嫌や！大先生は半分やとしても淫魔なんやぞ！Aのこと、好きになって、それでも…大先生は他の奴の所に行かなアカンのや！そんなん、Aも大先生も幸せちゃうやろ！だから、今のうちに、俺のこと、好きになればええやん」
それは、私が少し考えていた事だった
確かに、私と先輩は結ばれたとしても、先輩は淫魔としての使命を果たさなければ消えてしまう。はたして自分にそれは耐えられるのだろうか。ただでさえ、承認欲求の塊のような自分が？無理ではないか？そんな考えを飲み込んでそれでも私は先輩が好きだという気持ちだけでここまで来てしまったのも事実だった
婚約者を失って、あんなにも無神経にエーミールを傷つけた時のように。そうしなければ生きていけない彼を、許す事ができるのか？
そもそも、許すなんて考えをしてる時点でダメでは無いのか。上から目線で彼という、生き物事態の存在意義を否定するような、そんな
「Aちゃん、大丈夫やから。な？」
「先輩…」
「悩まんで、気にせんでええねん。目を瞑って、その事に気づかないようにすればええ」
「それって、どういう」
「僕のお仕事のこと、忘れちゃおっか。それなら幸せやろ、お互いに」
先輩に見つめられる、すると、もう何を考えていたのかもわからない程に…だんだんと、先輩の綺麗な瞳しか目に入らなくなって
綺麗な、夜のような深くて青い瞳。夜、夜って何だっけ？人間の世界？それも、もう…私には関係ないことで…私は…もう。人間じゃないのだから
ぼんやりと、遠くに聞こえるような。聞こえないような声
「大先生、ズルいやろ。そんなん」
「ゾムさんも、急にそんなん言われたら困んねん。やっと、僕の物になったんやで」
「絶対に、お前らは不幸そのものや」
「嫉妬は醜いで、ゾム」
「なんやねんシャオロンまで」
「これでエエ、二人は幸せで。それで、ええ」
「そうや」
「俺らの関係には秘密の一つくらいあったってええねん。そうせんと、幸せになれんのなら尚更な」
Aちゃん
ぱちっと意識が冴える、あれ。なんで
「先輩、あんまり見つめないでください」
「え？ダメやった？」
「恥ずかしいですから」
「やって！ゾムさんがAちゃんに急に告白するんやもん！ちゃぁんと、Aちゃんが誰のもんか、証明しなアカンやろ？」
な？と、曇りのない笑顔が印象的だった
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りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです！天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(？)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…？お金払わせてェ！ (5月31日 0時) (
レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます！ (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね！！うん！！でも続編かきたいね！！勘違いやわ！！ (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年10月12日 0時
