204，水色と薄紫の契約 ページ15
「トントン…」
「グルさん！？」
「ダメだ…力が入らない…苦しい」
ふらふらと体の軸がぶれる、目は虚ろ、そして今のグルさんからはいつもの上に立つもののオーラはとても感じられなかった
「ショッピ君、コネシマ呼んできてや」
「わかりました」
「オスマンは今すぐ兄さんを連れ戻してきてくれ」
「グルッペン、魂酔いなん？」
「まだなんとも…最近忙しかったし総力戦で沢山の天使を消したからな、魂酔いやとええけど…万が一があるかもしれんから」
「わかった、まかせてや」
二人とも颯爽と執務室からでていく、オスマンがグルッペンを心配そうに見ていたけれど、これに関しては俺達にはどうしようも出来ないから、原因を探る他ない
「トントン、頭が痛い。聞こえてくる、声が、嫌な声だ…地獄から、声が」
「大丈夫、大丈夫やから、な？グルッペン…」
弱々しいグルッペンの姿をみるのは初めてだった。だから今こそ冷静に様子を見守ることが出来た自分を誉めてやりたい
「グルッペン大丈夫か！？」
「うるさいっすよコネシマ先輩」
「やってグルッペンがやぞ！あのグルッペンが倒れたんやぞ！！」
「知ってます、はやくしてください」
「わかっとるわ」
大声と共に走り込んできたコネシマが直ぐにグルッペンに寄る、その手をグルッペンの胸の辺りに掲げて何か呟き始める
「スプリングの名の元、冥福に捕らわれし亡者どもに裁きを与えん」
氷のように冷たいアイスブルーの瞳が見開かれる、瞬間。コネシマの後ろで壁に背をつけて座っていたショッピ君が予想していたかのように眠りについた
「コネシマ…？」
「おぉグルッペン、大丈夫なんか？」
「お前のお陰で、なんとかな」
「ふーん、さすが俺やな」
「半分はショッピ君のおかげやろ」
「ええねん、ショッピ君のスプリングの力は俺のもんやから」
ショッピが眠りにつくのを無視して話は進む、こいつ本当に…悪魔だろ。悪魔やけど
人の魔力強制的にすいとるなんて外道やわ
久しぶりにみた瞳の奥にある魂は
透明な水色の魂、そして、よく目を凝らさなくては見えない薄い紫色をした不透明な魂
コネシマの力がショッピの力を覆って制御している確たる証拠。正直、正気ではない形をしている
あれは、あの契約はほぼ呪いだ
「はよ兄さんに見せたほうがええわ」
「そんなに酷い状況なんか？」
「なんやろ、魂がグルッペン経由しとる感じがすんねん」
「それは」
流石に、と否定できるほど
不真面目には見えなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 592人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです！天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(？)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…？お金払わせてェ！ (5月31日 0時) (
レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます！ (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね！！うん！！でも続編かきたいね！！勘違いやわ！！ (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜空音 | 作成日時：2018年10月12日 0時
