68，紫さんは何者？ ページ20
「我が誓約においてスプリングを用いて命ずる、業深き者共の怒りを沈め静かなる魂へ怒として還元せよ」
彼の頭上に光の魔術式のようなものが組まれる…そうとしか表現できない、まるでゲームの世界のような魔術式が彼の体を覆って強く光を放った、あまりの眩しさに目を瞑り次に目を開けたときに彼の姿はあまりに神々しいものだった
彼の回りには光の球体、言われなくてもそれが大地の力であり、彼の背中に現れた機械的な翼は文明を表しているとわかった。継ぎ接ぎのように曖昧にみえるその姿は酷く恐ろしく逆らえない者であると本能的に危険を感じた程に
「っ…スプリングは…魔力が強すぎる…使わないほうが良かったかもしれへんなぁ」
「大丈夫…ですか？」
「本来ならお前が制御すればいい話なんだ、生身ではあの業を消せない、けれど魔力が多くても無駄なエネルギーを消費する」
ピギャァァァーー！！！！
獣の敵意剥き出しの咆哮が放たれ思わず膝をついてしまう、動かしたくても震えて動けない
「ひっ！」
「…ふっ…ビビり散らしとるやんけ」
「っ…！ぁ！」
「怖くて声もでんの？全く…これだから愛し子は…あとは俺に任せて…エネルギー使いきって倒れたら…面倒見てくれな？かわいい愛し子さん」
「！？」
一瞬、その一瞬向けられた優しい瞳にドキリとしてしまう、それもつかの間彼は紫のストールを風に靡かせて業の獣と激しい戦闘に入っていた
彼の振るう剣が翼を燃やし、鋭い爪を弾き
獣の最後の断末魔が聞こえ
静寂
「っ…はぁ…やったわ」
彼の姿が最初の翼も何もない姿に戻る
その瞬間、彼は床へ倒れ付した
「大丈夫ですか！？」
「大丈夫や……優しいな」
「それより…手当てを！」
「大丈夫やって…仮契約でアンタの魔力分けてもらったから直ぐに傷は治る…名前は？」
「Aです…」
「あぁ！アンタが！へぇ…そう…なんや」
「意味深なこと言い残して寝ないでくださいね！？」
「…キス…ごめんな。必死になって気にせんと契約してもうたわ…疲れたし、膝借りんで」
「えぇ！？」
「お休み」
紫の人の口許が優しそうに、そして勝ち誇ったように吊り上げられた。メガネ…邪魔そうだな
キス…あぁもう！グルッペンといいこの人といい…！天界は本当に人間のルール適応しないのか
「膝枕…許可してないんだよなぁ」
恩人を無下に扱うほど人間が廃れてないのでそのまま私も本棚によりかかる
こんな近くに本棚あったっけ？まぁいいか
天界だし、不思議なこともあるよね
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夜空音 - 愛蘭さん» ありがとうございます。閻魔についてはモブのような扱いなので誰とは言いません。ご想像にお任せします、読んでいて楽しい方にしてください。 (2018年2月11日 23時) (
レス) id: e45f91e071 (このIDを非表示/違反報告)
愛蘭 - 感想失礼します…！世界観とか本当に好きですしんどいですよもう…ひとつ質問なんですが、閻魔樣ってもしかして赤髪のともさんだったり…?私の勝手な考えなので間違っていたらすいません;;これからも更新頑張ってください！！ (2018年2月11日 3時) (レス) id: e6a6c1647f (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - BOXさん» ありがとうございます！もう少し掘り下げていけたらと思っています (2018年2月4日 0時) (レス) id: ff9c6a4fe6 (このIDを非表示/違反報告)
BOX - 設定とかストーリーとか面白くて好きです!これからも更新楽しみにしてます!語彙力なくて申し訳ないです笑 (2018年2月3日 18時) (レス) id: b4de0e99f9 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - もちさん» ありがとうございます！休みが終わってしまったので更新ペースは落ちますがこれからも頑張ります！ (2018年1月11日 23時) (レス) id: 04cb530f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年1月8日 3時
