満月 ＿BakareA

Destination　★ ページ46

(行先)



目を開けると。




いつの間にか寝ていたらしく。





そして、見上げると樹くんがいた。








貴「…‥じゅ、」





樹「はよ。」







瞼にキスを落とされる。





くすぐったい。







樹「寝顔も可愛いけど。


　 寝起きの顔も可愛いね。」






樹くんはそう言って、首にキスを落とす。







貴「…ん、樹くん…‥。」





樹「ん？感じた？」





貴「…ちがぅ。」





樹「俺はさっきから、Aを感じてるよ。」







樹くんはそう言うと。



私にキスを落として。





逃げる暇がなかった。






逃げなきゃって思ったけど。






もう、手遅れだった。







深くなるキス。






貴「…‥‥っ‥ん…。」






息が出来なくて。



口を開けると。





空気じゃなくて、熱い舌が入り込んできた。





く、苦しい‥っ。






樹くんの肩をぱしぱし叩くと。








貴「‥‥‥っはぁ‥こほっ。」






一気に肺に空気が入り込み。


咳き込んでしまった。




心配そうに私を見る樹くん。






樹「ごめん。まだ慣れてない？」






首を縦に振ると。







樹「そっか〜、キスの合間から酸素吸えるように練習が必要だね。」






って、わけのわからないことを言う。





もう、キスは真っ平ごめんなのにっ。






私が治まると、樹くんは私の襟に触れて。





あっ、と思った時には。


樹くんの手はボタンを外しにかかっていた。






貴「‥やっ、しんた、」





なぜかわからないけど。



慎太郎くんの名前を出そうとしたら、唇を塞がれて。






鋭い目で見つめられる。






樹「他の男の名前出すな。」






樹くんはまた手を動かしはじめ。




一応抵抗してみるも、呆気なく終わった。







樹「肌綺麗。」





樹くんは、私の腕や、首、鎖骨、お腹。




あらゆるところに触れていく。





くすぐったくって。



身体をよじっていると。






樹「なんかそそられる。」






と、くすっと笑って。




鎖骨に噛みつかれた。






貴「…‥‥っ。」






痛くて。



樹くんの肩に爪を立ててしまった。







樹「Aも、噛みつきたかったら噛みついていいよ。」







なんて、耳元で囁かれる。





私、そんな趣味ない。




大事な人を傷つけるなんて。






鎖骨の痛みを感じていたら。






貴「‥‥っ。」





油断してた。



胸に触れる樹くん。






樹「好きだ。


　 好きだよ、A。」

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