満月 ＿BakareA

An encounter ページ4

(出会い)






固まって椅子に座っている私に声をかけてくれる先生。







先「あ、川上さん。そろそろ貰おうか。」




貴「‥‥はい。」







先生にそれを渡す時、


男子生徒の方を、ちら、と見ると。







ぱちっと視線が合い。







やっぱり、また逸らす。









先「うーん、熱はないか。


　 １時間だけでも横になっていきなさい。」




貴「はい。」









そう言って、立ち上がろうとしたとき。









　「たーいーがー。」









保健室に押し寄せてきた、





不良たち。








びく、と驚き、また椅子に座って固まってしまった。





不良さんたちは、休んでいた彼の元に集まる。








先「ちょっと、あなたたち。

　 静かにしなさい、そしてちゃんと授業に出るっ。」





　「は？あんなくそみたいなもんやってられっかよ。」



　「やっても意味ねーし。」






口ぐちに不平を漏らし。


わちゃわちゃする、保健室。







保健室って、一体何なんだろう。








呆気にとられて、見ていると。








先「そんな言い訳、どうでもいいから。

　 今日は生徒が一人休みに来てるの。




　 ほら、出て行った、出て行った。」







そう言って、不良さんたちを追い出す先生。






　「ちょ、折角大我のお見舞いに来たのにさぁ。な、慎太郎？」


　「あぁ、まいっか。じゃーなー大我っ。いこ、北斗。」






三人組の不良グループが消えると、また静かになる部屋。








先「いつもいつも、あぁなんだから。


　 ごめんね、騒がしくって。




　 あ、奥のベッド使って。」








かた、と椅子からやっと立ち上がり。





ベッドに向かう。







男子生徒の前を通るとき。




目がまた、合ったから。







一礼して、奥に消えた。









それにしても、






なんて綺麗な顔立ちなんだろう。

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