満月 ＿BakareA

Confusion ページ18

(混乱)




＿北斗








皆、Aが無事だったことで喜んでいるけど。






俺は見逃さなかった。









Aの首筋に咲く、紅い華。









俺と目が合った瞬間、不思議そうな顔をする彼女を見て。





俺はその場を後にした。









そして、あいつを探しにいく。





・









・





体育館裏に足を運んでみたけど、姿はなく。





ある程度、あいつが行きそうな場所を巡ったけど。




どこにも姿はなかった。







疲れて。




もう一睡しようと屋上に上がると。









暢気に眠るお前が。









北「……大我。」








名前を呼ぶと、ゆっくり目を開ける。






男の俺でも綺麗だと思ってしまう顔。









今は少し、憎らしい。








大「…何？」







面倒くさそうな声。



分かってるくせに。









北「どういうつもりだよ、あれ。」









上から大我を見下ろす。





大我は起き上がり、折角寝てたのになぁ、と呟きながら。




俺と目線が一緒になる。








大「どうって？」







さっきから、あか抜けない返答ばかり。





何考えてんだよ。








北「とぼけんな。



　 お前はどういうつもりで接してるわけ？






　 なんで一番最初がお前なんだよ。」








そう言うと。




景色を見ながら、鼻で笑われ。








俺を睨む。








大「誰が一番最初だなんて言った？




　 それと。





　 どうこうしようなんて思ってねーよ。」








そう言い、俺を通り過ごして。





ここから出て行く大我。









どういうこと、だよ。









最初じゃないって‥‥。









それに、


どうこうしようって思ってなかったら。







何で、痕を付けた…？









お前、前言ってたよな。









混乱する頭を押さえながら。







風を全身で受け。









その場に突っ立っていた。

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