【ポッピングシャワー ~恋の予感~】 (ページ4)

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びしょ濡れのお隣さんを招く。

『どうぞ…』

とスリッパを用意して顔をあげたら、
彼が帽子も、メガネも、マスクも、外した出で立ちでいた。

「あのっ…ご挨拶遅れましたが、隣人の上村礼王です。えっと…音楽関係の仕事をしています。23歳、O型です！」

と自己紹介してきた。

(なんで血液型まで言ったんだろう…？)

なんだか可笑しくて初対面の時の警戒が嘘のように気が緩んでしまう。

『同じく隣人の水澄Aです。企業秘書のお仕事をしています。A型です』

と自己紹介を返すと彼は嬉しそうに微笑んだ。

全身びしょ濡れの彼にお風呂を進めるか躊躇っていると彼の方から

｢あのっ…本当に図々しいんですけどシャワーお借りしてもいいですか？
このままだと水澄さんのお家びしょびしょに汚してしまいそうで…｣

と声をかけてくれた。

びしょ濡れの彼をバスルームに連れるための道をバスタオルで敷き詰める。
レッドカーペットならぬバスタオルカーペットができあがったところで

(あ…着替えどうしよう、、、)

とまた別の問題が浮上。

自室のクローゼットに向かい、奥の奥から紙袋を探し出す。

暫く見ていなかった大きめの洋服たち。

『致し方ないよね………』

その中から今の時期に着ても問題の無さそうなものを選んで彼にバスタオルと共に渡した。

彼は、ありがとうございます！と満点の笑顔でバスタオルカーペットを歩む。

悪い人ではないみたい…
家に自ら招いておいて今更だが直感的に思った。