Once in a lifetime chance2 (ページ7)

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YOU ページ7

やって来た。やって来てしまった。

今日という1日が始まってしまった。

だけど気合いを入れてバイトに行くわけにはいかない。

絶対ミリさんにいじられる。
「なあに～？今日は特別な日？オシャレしちゃってー。」

とか言われるのがオチだ。

それでも午前中のバイトは上の空だった。

ちゃんと作れるかなーとか。

どんなおうちなのかなーとか。

TOPさん、家ではどんな格好してるんだろうとか。

最後の妄想に手をかけたところで慌てて消した。

危ない危ない。

そんな事想像して、あたしは変態か。

そうは言いつつも、またまた上の空。

今度はちょっとネガティブ。

彼女のものとか見つけちゃったり…

運悪く彼女が入ってきて修羅場…

そこまでいってものすごく憂鬱になってきた…。

部屋に呼ばれて浮かれてるなんて、それが許されるのは高校生まで。

自分のしょうもない妄想を両手でブンブンと打ち消して、献立や料理の手順をおさらい。

炊飯器とかあるの？
調理器具は…？

料理するのかな。

この後の事が気になりすぎて全然仕事が手につかなかった。

バイトの終わりはスタッフルームにある時計の秒針をにらみつけながら待った。

12時ぴったりを指した瞬間、ダッシュで着替えて寮に帰る。

走り出しそうな自分を堪えた。

汗かいたら台無し。汗かいたら台無し。

嗅がれることなんてない自分の匂いをひたすら気にして帰った。