Once in a lifetime chance2 (ページ37)

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YOU ページ37

タイトめのスカートだから手を貸してくれたことはありがたかった。

素直に手を取ったけど、内心はド緊張。

自分の気持ちに蓋をできなくなってから、毎日が長かった。

あんまりマメなタイプじゃないからSNSも頻繁には見ないし、自分から連絡なんてできるわけない。

この誘いがどれだけ嬉しかったか。

ずーっとこの時間が続けばいいのに。

車が停まると、「着きました」ってTOPさん。
ちょっと待つように言われ、反対から回ってドアを開けてくれる。

またしても手を差し出してエスコートしてくれる彼。

日本ではこういう事する人少ないから、いちいちドキドキする。

彼の手を取って車から降りると、それはそれは…

これまたお高そうなお店…

「行きましょう」とにっこり微笑みかけてきた彼に、笑い返すように視線を合わせて気づいた。

A「ぷっ。いい加減合わせてきてます？笑」

タプ「え？」

A「服装。笑」

よく見ると色合いが似てる。笑

ベージュのスーツに白のシャツ。
そこにわざと黒のステッチが入ってる色使い。
時計は黒のレザーベルト。
見覚えのある黒の革靴はエナメルで、裏側がおきまりの赤。

あたしの肩にかかるカーディガンが透けるくらいの黒だから、それはもう、カラーコードがあったのかと思う出来栄え。

耐えられなくなってクスクス笑うと、

「合わせてきたのはAさんでしょう？」

って意地悪そうに笑う。

この笑顔、好きだなー。なんて呑気に眺めてた。