YOU ページ29
あれから数日。いや、数週間経ったかな。
未だ夢現つのあたしの脳内とは裏腹に、あの日以来TOPさんからの連絡は全くない。
そりゃそーだよね…。
忙しいよね。
学校とバイトと、寮の往復しかしてないあたしなんて、彼の1日にも満たないな。
意味のないマイナス思考に至ったところで鳴った携帯。
画面に表示されたのは“TOPさん”
このタイミングでかかってくるなんて運命！！！
どこまでもおめでたいあたしの脳みそは一気にお花畑。
緊張しながら出ると、愛しい声。
タプ「もしもし。Aさん今大丈夫ですか？」
彼の声。低くて優しい。低すぎてたまに聞き間違えちゃうけど。
A「はい！バイト中です！」
あちゃー…堂々と言える事じゃなかった…。
タプ「本当に大丈夫なんですか？笑」
A「だっ、大丈夫です。」
タプ「連絡しなくてすいません。中国に行ってて…さっき帰ってきました。」
中国…この人たち国境とか越えるって感覚あるのかな。
A「いえ…お忙しそうですね。」
タプ「いえ、ひと段落したんです。今月はもう韓国に居ます。」
A「今月…。」
タプ「あの、それで、どこかで少しお時間いただけますか？お話があるんです。」
A「お話、ですか？電話じゃない方がいいんでしょうか？」
タプ「せっかくなら会いたいので。」
ちょっ…！！
大胆な事を照れもせず…！
A「え！っと…いつでも！」
あれ？大丈夫だよね？
あたし大体暇だよね？
堪えきれないといった様子でクスクスと聞こえてきた笑い声。
タプ「じゃあ今夜お食事でもしながらお話しましょう。」
また会えるんだと思うと飛び上がるほど嬉しい気持ちと、これが当たり前になってしまわないかって不安が押し寄せた。
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作者名：めい
| 作成日時：2016年6月24日 3時
