TOP ページ18
揃いのマグカップにコーヒーを注いで。
つっても揃いのマグカップしかないんだけど。
タプ「砂糖とミルクは？」
A「ブラックで大丈夫です。ありがとうございます。」
皿洗いをした手を拭きながらこっちに視線を向けられるだけで自覚した感情が沸き上がる。
2人でダイニングテーブルに掛けるとそこで鳴り出す俺の携帯。
誰だよ…
「タプー、準備できてるか？5時には事務所行かなきゃなんないからな。それに合わせて迎えに行く。」
チッ…浮かれて忘れてた。
ってもう４時過ぎてんじゃねーかよ。
A「お仕事ですか？」
タプ「あー、はい。食事に夢中で忘れてました。笑」
A「何時からですか？あたしも長居しちゃったからそろそろお暇しないと。」
まだ全然コーヒーを飲み終わってないのにクラッチバッグに手をかけようとしたから、その右手を思わず掴んだ。
A「とっ、TOPさん？」
タプ「すぐ戻りますから。」
A「はい？」
タプ「すぐ帰ってきます。」
A「えと…それはつまり…？」
タプ「待っててくれませんか…？」
自分でも予想外の言動だった。
だけど気づいたら腕を掴んでたし、気づいたら引き止めてた。
これはさすがに引くな…。
A「お誘いはとっても嬉しいんですけど…さすがに主人のいない家にいるのはまずいですよ…笑」
だよな。
タプ「ですよね…。俺何言ってん…」
A「なのでっ！夜までに晩御飯の買い物してます。ランチはカードケースのお礼。晩御飯は先週の食事のお礼です。」
俺の恥ずかしさをフォローするように、被せ気味で次の約束を取り付けてくれた。
A「…って、夜はお時間ありますか？笑」
今度は彼女の方が恥ずかしそうに伺ってきた。
もう緩む口元を隠せない。
タプ「もちろんです。夜はAさんの得意料理を食べたいです。」
A「わかりました。頑張ります。笑」
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作者名：めい
| 作成日時：2016年6月24日 3時
