YOU ページ14
A「あのー…TOPさん？」
タプ「何ですか？Aさん。」
A「座ってていいんですよ？」
タプ「気にしないでください。」
そんなこと言われても…
料理を作るあたしの傍らで、ニコニコでずっとついて回るTOPさん。
お腹空いてるのかな？
待ちきれないの？
子供みたいに、冷蔵庫まで一緒に覗き込んでくる。
そんなに見られてるとやりづらいんだけど…笑
A「…気になります。笑」
タプ「邪魔ですか？」
凛々しい眉毛をしゅんと下げてあたしの顔を覗き込む。
その顔ずるいな…
A「邪魔な訳じゃないですけど…」
タプ「よかった。」
満足そうに微笑むと、材料を刻むのも、鍋に入れるのも、混ぜるのも、途中の食器洗いだって全部見てる。
しかも無意識なのか、あたしの顔と手元を交互に。
A「緊張…するんですけど。笑」
タプ「どうして？」
どうしてって…
この状況で緊張しない一般人女性がいたらそれは彼の身内だけだ。
赤くなるのはビールのせいにして、話題を逸らした。
A「素敵なおうちですね。キッチンも広いし。掃除も行き届いててとっても綺麗。」
タプ「掃除が大変そうですけどね。それを聞いたら喜びますよ。」
…誰が？
ミーハーとは違う気持ちで、もやっとした感情が生まれた。
悟られたくなくて次の質問。
A「お料理もお上手なんですか？」
…その誰かさんは。
ちょっと嫌味な聞き方になってしまったかなって地味に後悔してるところで、
タプ「料理はできないです。あまり家にもいないし、外食がほとんどですね。」
あたしの嫌な感じには一切気づいてないみたいに、当たり前なテンションで受け答え。
何だろう。
今必要な探し物が見つからない時みたいなもやもや。
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作者名：めい
| 作成日時：2016年6月24日 3時
