YOU ページ1
どうしよう…
TOPさんと食事をしてから既に5日。
期限は1週間だからあと2日。
また明日また明日って勇気を先延ばしにしてたら半分以上過ぎてしまった。
ここら辺で慌てる辺りがリアルを感じる。
てゆーかほんとに電話していいの？
思い上がるなって思われたりしない？
勘違いするなって言わない？
むしろ何であたし芸能人と連絡取ってるの！？
確かにあたしが通訳として舞台にしたいのはメディア関係。
ハリウッドに出てくるスターの来日会見を見て、この仕事に決めた。
だから芸能人とお近づきなんて願ったり叶ったりだけど…！
そうじゃない。そーじゃあないのよ。
あたしは一体…どーしたら…
たった数ヶ月で親友と呼べるまでになったサラにも、こんな事相談できない。
絶対「テソンくん紹介して！」のオチが待ってる。
…
…
…
そーだ！
早めに切ろう！
出る前に！切っちゃおう！
3コールで出なかったらあたしのせいじゃないし、約束は破ってない！よし！
めちゃくちゃ卑怯な閃きの元、なけなしの勇気を振り絞って発信ボタンを押した。
プルルルル…プルルッ…
「はい。」
出たーーーーーーーー！
辛い！予想外！出た！
タプ「もしもし？Aさん？」
A「もっ、もしもし…」
発信で使い切った勇気は本当になけなしで。
唇も、携帯を持つ手も、膝も震えてまともに喋れない。
神様仏様。
卑怯な事を考えたあたしがバカでした。
どうか突然電源が落ちますように。
最後まで卑怯なあたし。
そこに聞こえた低い声。
タプ「待ちくたびれました。」
A「すっ、すいませんっ！あのっ、えと、い、いぃ忙しくて！」
この人より忙しい訳ないだろって自分で脳内の自分にビンタ。
タプ「そうだったんですか。でも、かけてきてくれてよかった。1週間過ぎたら俺から連絡しようと思ってたんです。」
え…待てばよかった…！
なんてこれからの人生卑怯な事しか思いつかないのかと内心自分を罵倒した。
A「すいません…。嘘です。忙しくはなかったです…ただ…ほんとにかけていいのかわからなくて…あと、緊張しちゃって…」
無理だ。
素直に謝って怒られる方がマシ。
これからの人生卑怯にはなりたくない。
すると電話越しに聞こえるくぐもった笑い声。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい
| 作成日時：2016年6月24日 3時
