Once in a lifetime chance

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月明かりに照らされて、社交ダンスみたいなポーズで決まった俺たちの距離。笑


息がかかるくらい近い距離に心拍数は上がるけど、同時に口角も上がりそうになる。


彼女のつまずきが3回目を起こさないように、態勢を立て直す前に小石を軽く蹴飛ばした。

小さくお礼を言う彼女は、ワインのせいか、違う理由かわからないけどほんのり赤い。



タプ「ご自宅はこっちで合ってますか？」

そう言いながら来た道を回って違う通りに出た。


A「ほんとに大丈夫ですから！」


小走りで俺の前に立ちはだかった彼女。

家を知られたくない？


警戒してる？


だけどわかってないな。




俺はまだ一緒にいたいんだ。


タプ「お礼。してください。」

A「え？ええ。もちろんです。でも送ってくださるのは…」

タプ「何してくれますか？」

卑怯だと分かってたけど前を見たまま彼女の言葉にかぶせるように質問した。


そしてまた彼女の傍からすり抜けて自然に歩き出す。


A「何を…すればいいですか？」

結局質問に気を取られておとなしくついてきてる。

遠慮がちにこっちの要望を聞いて。


そんなお伺いを立てて、俺が無茶なこと頼んだらどうするつもりなんだろう。




タプ「んーそうだな……まずは連絡してください。必ず。Aさんから。」


A「え？」

タプ「いつでもいいです。でも俺からはしません。必ずAさんからしてください。」


A「それで…？」

タプ「それまでに考えておきます。」

期限を1週間以内に指定したところで、彼女の家のそばまで来た。


ほんとに近くに住んでるんだな。

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