Once in a lifetime chance

YOU ページ39

…バレてない？


まるで容疑を否認するみたいに。

証拠のオーナーまで。

「疑ってませんよ。笑」

なんて余裕に笑って見せたりしたけど、内心バクバク。

親しさが伝わってきましたーとか言ったけど、彼が家族以外で初めて連れてきた女性になるなんて。

予想もしなかったから顔が赤くなるのを止められない。


心臓が熱い。

このままだと爆発しそうだからごまかすために席を立った。



「ちょっとお手洗いに行ってきますね。」




ワインで酔ったことにすれば赤いの誤魔化せるかな？

鏡の前で頬に手を当てて冷やした。



『ふぅ…心臓保たない…』


ファンじゃなくてもかっこいい事は認めるし、

あんな優しい顔で笑われたらやられる…。




落ち着けあたしの心臓。



もう一度深く深呼吸して、鏡を見たときに気づいた。



『あ。』





極度の緊張で忘れてたけどあたし、今日はなんかを預かってるって言われてるんだった。





割と早足で個室に戻る。








個室に…戻る…







個室…どこ？笑





２つくらい角を曲がった記憶はあるんだけど…


迷うほどの広さじゃないと思うんだけど…




あれ？



俯いて記憶を辿ってると右腕に柔らかい体温と、足元のカーペットが暗くなる感覚。

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