26話 ページ26
千葉「じゃ、始めるか。先攻と後攻、どっちが良い？」
星「先攻だ。お前ら、ちょっと離れてろよ」
深い深い深呼吸をした
大丈夫。Aに教わったことは毎日の訓練で身についているから
銃を構えて、引き金に指をかけた
「大事なのは、とにかく焦らずにやることだ。気持ちを落ち着かせて、いつも冷静な判断ができるようにしないといけない」
星「焦らず、冷静に…」
風が止んだ瞬間を狙って引き金を引いた
星「当たったか⁉」
的を見ると、中心から少し右にずれた位置に穴が開いていた
それでも、今までで1番良い
千葉「……次は俺の番だな」
星「的、新しいのにしなくて良いのか？」
千葉「あぁ。俺は確実に中心に当てるから」
その言葉を聞いた時、俺は負けを悟った
こんなに重みがある言葉は初めてだ
こいつ…、緊張してないのか？
そして、1分とも経たないうちに撃ったこいつの弾は、綺麗に的の中心に穴を開けていた
渚「すごい…！」
茅野「さすがだね」
教室の窓から見ていたクラスメイトも駆け寄り、歓喜の声があちこちから上がった
殺せんせー「これが、私の生徒の実力です」
星「…中学生でここまで力をつけるなんてすごいな。負けたよ」
千葉「お前も凄かったよ。俺、正直焦ったし」
星「また、勝負しような」
千葉「あぁ、もちろんだ！」
ここに一つ、男の友情が生まれた
カルマ「それじゃ、約束守ってくれるよね？」
星「分かった。Aの居場所、教えてやるよ」
殺せんせー「しかし、最大でも連れて行けるのは3名です。星君と、あと2人誰が行きますか？」
渚「……僕、行きたい」
カルマ「あ、じゃあ俺と渚君で良いじゃん。はい決定ー！」
星「決めるの早いな⁉でも、殺し屋には即決も大事か…。確かに…」
殺せんせー「じゃ、行くとしますか」
千葉「でも、これから授業…」
殺せんせー「あぁ！すっかり忘れてました！放課後行きましょう！」
星「お、俺はどうすれば…？」
殺せんせー「今日だけ君も私の生徒です。さ、授業を始めますよ！」
こうして16歳の俺は1人、中学生のアサシン達に混じって授業を受けることとなった
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作者名：早月迅哉 | 作成日時：2016年11月27日 19時
