22話 ページ22
俺はずっと車を走らせ続けていた
あの日のAからかかってきた電話
学校に戻るつもりはないそう言った声が微かに震えていた
Aのことだから、俺を突き放すようなことを言ったんだろう
これまでずっと悩んできたけど、俺は決めた
Aに直接会って話をする
正しい道へ導いてやる俺が守るって誓ったから
見捨てる訳がない
だから俺はあいつからAの居場所を聞き出して、今その場所へ向かっている
烏間「……ここか」
着いた先にあったのは大きな洋館
小さな畑もある
チャイムを押してしばらくすると、中から高校生くらいの男子が出てきた
彗星「……誰だ?」
烏間「防衛省の烏間という者だ。Aはいるか?」
彗星「防衛省…?てか、何でAのことを…。そういや、前に烏間先生って言ってたような…」
烏間「Aはここにいるのか?」
彗星「あぁ。いるよ。昨日からずっと部屋に篭って泣いてる」
烏間「……入っても良いか?」
彗星「………言っておくが、Aをどっかに連れて行ったりするなよ。今は俺達の仲間だ。それさえ守ってくれるなら入って良い」
烏間「分かった」
案内されて、Aがいる部屋の前に来た
ノックをして扉を開けると、薄暗い部屋の中央でAが横たわっていた
まだ乾ききっていない涙を頰に残している
きっと、泣き疲れて眠ってしまったのだろう
ベッドに寝かせていると、先程の男が部屋に入ってきた
彗星「…ちょっと、話をしようぜ」
Aを起こさないようにそっと扉を閉めて、俺は男について行った
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作者名:早月迅哉 | 作成日時:2016年11月27日 19時