知っていること※ ページ3
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ジンと面と向かって、という意味で初めて会った研究員...カイトは研究室へ度々やって来るジンの相手を必然的によくしていた。
「そういやぁ、カイトは俺のこと初対面やったのによぅ知ってたなぁ」
「そりゃあファミリーの人間のことは詳細に知ってますからね...研究員として知っとかないとと思ったし...あ、気持ち悪かったら言ってくださいね。自分が変なことしてる自覚はあるんで」
何処かからか持ってきたのか、車の玩具をドライバーで手慣れた様子で綺麗に解体するカイトを、ジンは観察しながらふとした疑問をぶつけ答えてもらっていた。
「詳細に、ねぇ...例えば?」
「そうですねぇ...イドラさんが首領に遊ばれてるとか、ジェイさんがルカさんにいきなり抱き付いて激怒されたとか...まぁ色々知ってますよ」
「ファミリーに入る前の情報も知っとんのか?」
「それは知らないですよ。ファミリーに入る前のことなんて...今のボクらには関係ないじゃないですか」
解体し終えた車の玩具を別々のトレイにバラバラに乗せるカイト。
ジンは一瞬目を見開いたが、そのままゆっくりと閉じては微笑を浮かべた。
「それもそうやね。所で、その玩具どないするん?」
「え、実験に使うんだけど...」
「玩具を?」
「これ元はユダですよ、ボクの異能で玩具にしただけの」
電池やバックミラー、ハンドルなどを乗せたトレイを持ったカイトは、徐に電池を掌全体で触れるとそれは瞬く間に人間の心臓へと姿形を変えた。
「うっわぁ......」
「こんな綺麗な心臓なのに首領に逆らうとかどうかしてるよ本当。狂ってるボクより狂ってるね」
さてと、実験実験♪と心臓を電池へ変えトレイに戻したカイトは、楽し気な様子でそのトレイを何処かへ持っていったのだった。
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緋絲(プロフ) - ハアァァッッッ…!!!ホントニアリガトウゴザイマスッッ… (2021年9月6日 14時) (レス) id: 8f29c92b75 (このIDを非表示/違反報告)
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