Charade Maniacs (ページ5)

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3話ページ5

Aside

?「……を……………して…………」

?「………アルカ………に…………を」

(誰？)

沢山の声が聞こえてくるのに、その殆どがノイズに混ざって消えてしまう。

?「この………は……てる……！！！」

ｶﾞﾊﾞｯ

『何処………？此処？』

ハッと目が覚めると、知らない場所だった。

唯一の手掛かりは、真っ暗闇の中うっすら光っているスクリーンだけだ。

『僕……教室で…………』

(そうだ、教室でアヤカ達を追いかけようとして急に目眩がして………それからどうしたんだっけ？)

そこからの記憶が全く無いことに気が付くと、僕は人を呼んでみる事にした。

『すみませーーん!！誰かいませんかーー!！』

ｼーーﾝ

『ダメか………て言うかこのスクリーンなんだ？』

唯一の手掛かりであるスクリーンに指先が触れると、突然スクリーンからまぶしい光が溢れた。

『っつ！！！』

(まぶしい！！)

そう思った時には、僕の体は光に包まれていた。

光が薄くなったことが分かり、目を開けると

?「ようこそ、異世界へ！！アルカディアにいらっ
　しゃい！！」

と、怪しげな男が今の僕の気分とまるで逆の陽気な声で話しかけてきた。

(何なんだ？)

突然すぎて何がなんだか分からない。

?「ここはなんでも願いが叶うアルカディアーー
　そう、理想郷です。もちろん貴女の願いも叶え
　ます！」

?「欲しい物はなんでしょう？叶えたい夢はなんでしょう？どんな夢でも構いません。」

?「出来る限りのお手伝いをいたします。さぁ、貴
　女の願い事はなんですか？」

そこでようやく怪しいセールストークのような声が途切れる。

その怪しい男は僕の答えを待っているようだった。

しかし僕は呆気にとられ、言葉が出ない。

?「………返事がありませんね。」

(…………何言ってんだ？こいつ……)

?「突然のことに願い事が決められない。そういう
　こともありますよね。」

?「ではまず、アルカディアでの生活をお楽しみく
　ださい。この世界の素晴らしさが分かるはずで
　すよ！」

そしてその男はパチンと指を鳴らす。

その途端、視界がまた真っ暗になった。