Silent Secret Love..... (ページ35)

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□雅紀ページ35

屋上へのドアを開けると、潤くんの泣き声がより一層大きく聞こえる。

ーーーいままで強いと思っていた彼は、本当はすごく弱かったんだ。

なのに、強がるから。
大切な人のためだからって、自分を犠牲にするから…。

潤「…ふっ…くっ…、」

「…なんで強がるの…」

そんな大きな声を出さなくても、この静かな屋上なら潤くんの場所までは普通に届く。
だから潤くんは、俺の言葉を聞いた瞬間驚いたように、はしごの上から顔をのぞかせた。

潤「……なっ、んでっ…」

「…降りてきて…？」

彼は、素直に降りてきてくれた。

潤「…なんか用？」

「また強がる…」

潤「強がってなんかっ…！「「ごめんなさいっ！！」」…え？」

″強がってなんかない″
この苦しい言葉を、あなたの口から吐かせたくなかった。

「…18年間も潤くんと一緒に居て。いつも、なにがあっても俺のことを助けて信じてくれた潤くんなのに…その俺が、潤くんを信じれなくてごめんなさい。1度でも疑ったりして、裏切ったりして、ごめんなさい。
…あなたが、大切な人のためなら自分を犠牲にできるっていう人だってことを俺が一番知ってるのに…」

潤「…な、に言って…(笑)裏切った奴になに謝ってんの…(笑)」

まだ、その演技を続けるの…？
なんの理由があってそこまで…

「なにが潤くんをそうさせてるの…？」

潤「なにが…」

「潤くんは、俺らを裏切ったりする人じゃない…。なにがあっても、そんなことしない人なんだよ。それは俺が一番知ってる。1度疑った俺が言うのもなんだけど…。でも俺は、潤くんがそんな人じゃないって知ってるから。だから、ここに来た。だからいま、あなたと話してる。あなたを信じてる。…お願い、潤くん。もう強がらないで？自分を犠牲にしないで？」

そう言った途端、潤くんの目から流れる涙。
これで、本当の真実を聞くことができる。

そう思った俺は、バカだったのかなーーー

潤「…バッカじゃねーの…(笑)そんなんで俺が心開くとでも？(笑)…俺がどんだけ汚い人間か知らねーんじゃん…おまえになんか興味ねぇの。おまえとなんか話したくねぇんだよ！！」

「……っ、」

なかなか、心にきた。
だけど、通り過ぎるときに彼の頬に伝っていた涙が、さっきのが本当の彼ではないことを示していた。