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辺りが薄暗くなりポツポツと家の灯りが灯されている
ようやくシャツの汚れが落ち
ふと顔を上げると頭に重たい何かがぶつかり、赤い液体が頬を滑り落ちた
血がつかないように必死にシャツを抱き隠すとまた石が飛んできた
石が飛んでくる方を見ると悲鳴をあげて逃げていく子供たち
"私と目が合った人間は呪われる"
と噂で聞いたことがある
私が今より幼い頃は悲しくて泣いてしまったけど、今はもう落ちる涙も出てこない
ザッザッと草を踏み分けて近寄って来る足音
「おい、いい加減終わったんだろうね」
首を縦に降ると怪訝な顔をして私を一瞥する
「あんたその怪我はなんだい
シャツには着いていないだろうね」
次は首を横に振る
ならいいと言って洗いたてのシャツを取ってどこかに行ってしまった。
玄関に戻り中に入ろうとすると、いくつかの靴がならんである
ムースが帰ってきている
直ぐに家を出ないといけないと思い
靴を履き直し、また外に出る
北風が肌を刺すように冷たい
家族が集まっている時に私がいるとおばさんは凄く機嫌が悪くなる
だから、夜はこうして街をうろうろと徘徊して回る。
夜は好き
夜だけは私が自由になれる時間
今日も星は綺麗に輝いている。
昔読んだ本には死んだ人は星になると書いてあった
その話が本当ならお母さんはどの星だろう
ゆっくりと星を見上げながら歩いていると、何かにぶつかり尻もちを着いた
「痛てぇな」
『ごめんなさい』
「餓鬼がこんな夜遅くに出歩くんなよクソが
よく見るとお前バケモンじゃねぇか
ﾊﾊｯ丁度いい躾し直してやるよ」
そう言うが否や薄暗い路地裏に連れ込まれ溝を1発殴られる
痛みに耐えてしゃがんでいると追い討ちのように蹴られる
幸い吐き出すものは中に入っておらず、何かを汚すということはなかった
耐えていればそのうち、飽きて帰ってくれる
そこからはひたすら我慢だった。
何回殴られたかなんて数えきれないかった
「これで懲りたろ
バケモンが人間に楯突くんじゃねぇよ」
気が済んだのか笑いながら暗闇に紛れていった
ようやく痛みになれ初め、この場から離れようと鉛のように重たい体を引き摺るように歩き出す。
見ていた人は目も合わせようとせず、私を避けるように歩いていく。
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作者名：あいりーん | 作成日時：2020年4月19日 2時
