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紅の瞳に見つめられる。吸い込まれそうになるくらい美しいそれに、思わず魅入ってしまう。彼はこんな美しい目で一体何を見てきたのだろうか。そんなことを考えてしまう。
だが、その意識はトントンによって引き戻された。
「流石にやりすぎやて。震えとるやんこの子。すぐに引き入れたい気持ちがあんのは分かるけど、少し考える時間があった方がええやろ？気持ちがはやりすぎやねん。」
身体が震えていた。無意識のうちに虚勢を張っていたのかもしれない。
少々強気なことを言ってしまったかもしれないが、Aは19歳の少女であり普通この状況では落ち着いていられないものだ。
「そうだな。すまなかった。俺としたことが興奮し過ぎてしまったな。まぁあれだ、落ち着いたら答えを聞かせてほしい。」
そう言って総統閣下は離れていき椅子に掛けた。トントンも、ゆっくり考えてと言った後同じように離れていった。
ようやく1人で考えられる。
もし私がこの国の幹部となったら大変なことが多くなるだろう。
男しかいない幹部の中に19歳の女幹部が1人。男所帯の此処でやっていけるのか。国内の幹部ファンにどう思われるか。
しかし幹部になれば出来ることも増える。1番は、ズーラの狙撃兵の…ミノの復讐をできること。幹部となればそれなりに情報も手に入りやり易くなるだろう。
この決断が人生の分岐点になるのだろう。選択した道がいい方に傾くか悪い方に傾くかまだ分からない。だが決めなければ、何も変わらない。
この決断を後悔しないように。
心に決めて総統閣下に歩み寄る。2人が私を、大丈夫だと言うような視線で見つめる。
右手を胸に乗せ、すうっと息を吸って言った。
『私は、総統閣下に忠誠を誓い貴方にこの身を、人生を捧げます。』
言い切った後、私は右手を添えたまま膝をつき頭を垂れた。
静寂。誰も言葉を発さない無言。下を向いていて2人の表情が見えない為不安が全身を襲った。
そして、やっと聞こえてきた音はくつくつとした笑い。遅れて聞こえてきたのは乾いた拍手だった。
「顔を上げろ。お前は今日から幹部であり、俺達の最高な仲間だ。お前のその技術で、この国を支えてくれ。期待している！！」
屈託のない笑顔だった。
トントンも何故か笑っていた。グルッペンへの呆れ笑いのようにも見えるが、安心したような顔だった。
私も同じように彼等に、いや、大切な仲間に笑顔を向けた。
『ハイルグルッペン！』
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未雨(プロフ) - エモンガさん» コメントありがとうございます。頑張って更新ペース上げてくのでこれからもよろしくお願いします！ (2023年2月26日 23時) (
レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
未雨(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。是非是非夢主ちゃん描いてあげて下さい！これからもよろしくお願いします！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 490941137f (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 未雨さんの書き方大好きです〜！夢主ちゃんの瞳の色も気になるところ！！良ければ描かせてもらってもよろしいでしょうか…？ (2023年2月15日 18時) (レス) @page21 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未雨 | 作成日時：2023年1月24日 23時
