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○ 2話 好きって何? ページ3

及川先輩が前を歩いてわたしがその後ろを距離を置いてついていく形で歩く。

まあ、私達体育館向かってるしね…

少しうつむきながら歩いていると急に及川先輩が立ち止まった。

「…Aちゃん。」

「…?」

「好きな人とかいる?」

「好きな人はいませんけど…」

急によくわからない質問を投げかけられてよくわからないまま返事をする。

少し、及川先輩が真面目な顔をしている。

「俺さ、本気で人を好きになったことないんだ」

「え…っと…」

「人のこと好きになったことある?」

「ありますよ…?」

「じゃあ、人を好きになったらどういう気持ちになるの?」

少し深めの質問がまた投げかけられた。

そう聞かれると、なんだか難しい。

そんなの考えたことなかったし…

「…直感?」

「直感?」

少しだけ及川先輩が笑った。

「特に考えたことないからわかんないですけど…見てたりして、あ、好きだなあって思ったら好きってことじゃないですか…?」

「ふーん…その人と付き合いたいとは思わなかったの?」

「付き合いたいとかは思ったりはしなかったかもしれないです。」

「なんで?」

グイッと聞き返されて、わたしは少し驚きつつ、また答えた。

「だって、ハマったらどうするんですか。」

「ハマる?」

「その人に一回ハマったら抜けられませんよ、きっと。落とし穴に深く深くハマっちゃって自力ではなかなか出てこれないですよ」

「落とし穴か…なんか面白い表現するね」

そう言って、及川先輩がニコッと笑った。

あ…いつものヘラヘラ顔じゃない。

そんな及川先輩の笑顔を見つめていると、急に及川先輩は顔を上げて、

やば!と言って、わたしの手を取った。

○ 3話 3人→←○ 1話 ヘラヘラ



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作者名:ゆき | 作成日時:2017年4月28日 7時

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