○ 10話 なびかない ページ11
「…わかりました」
「あ、でも俺その前に聞きたいことあったんだ！」
思いついた顔でニコッと笑うと、
「なんで俺のこと苦手なの？」
「…いつも女の子たちに囲まれてて、ヘラヘラ笑ってて…私たちの前ではあんなヘラヘラ笑わないのに」
そう言うと及川先輩は目を見開いた。
「よく見てるんだね」
「あんなの誰でもわかりますよ！だって、女の子たちの前では作ってますよね」
「うん…だって女の子には優しくしてあげたいでしょ？」
「でも、作り笑顔なんて及川先輩も疲れちゃいますよ。絶対、いつも通りニコニコしてる方がかっこ…」
そこまで言葉が出かかって、私はハッと口を押さえた、が、すでに遅し。
及川先輩は嬉しそうな顔をして、
「嬉しい、ありがとう。」
と言った。
作られてない顔で笑う及川先輩を見て、わたしは少しホッとした。
.
.
.
Pi Pi Pi....PPPPPii....
耳元で目覚まし時計がなる。
「…え、」
時計をまだ覚めきっていない目で確認すると、6時30分と書いてあった。
アラーム間違えた…いやまってそれより10分で支度しないと…
ばっと起き上がってパジャマを勢いよく脱ぎ、制服に着替える。
青いシャツに赤いリボン、スカートが隠れるぐらいの白いセーターに男子とお揃いの柄のスカート。
本当は青葉城西なんて全然行く気がなかった。
けど、友達についてきて！と頼まれていった文化祭で制服が展示されていて、それを見てこの制服を着たいなんて思って…
アホだけど、制服の可愛さも青葉城西に入ったうちの1つだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆき | 作成日時：2017年4月28日 7時
