♪.・＊Ruki ページ20
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夜の21時。
瑠「もしもーし、A？」
「瑠姫くん、お疲れ様」
大学のサークルの、1つ上の先輩だった瑠姫くん
私より一年先に、就職で東京に行ってしまったから
こうして毎週金曜日の夜に少しだけ電話している時が
遠距離で不安な気持ちを癒してくれる唯一の時間
瑠「春休みなった？」
「うん、今日最後のテスト終わったから」
瑠「よかったね、お疲れ様」
「瑠姫くんは、相変わらず？」
ここ最近忙しいって言ってたけど、大丈夫かな？
瑠「んー、一区切りついたかな！とりあえず
だから土日ゆっくりしよっかなって」
「よかった、」
ああ〜…会いたいな、瑠姫くん。
でも、彼の負担にはなりたくないから
この言葉がついこぼれないように
いつもぐっと我慢している
瑠「Aは？週末何すんの？」
「そうだな〜…春休みになったし、
明日はとりあえずゆっくりしようかな…
あとは卒業までバイト頑張る」
瑠「そっか、じゃあちょうどよかったわ」
「ん？なにが？」
ちょうどいいって？
瑠「もう少しで、Aの家着くんだけど
今家いる？」
「…え？」
………え？！
瑠「いやなんかさ〜会いたくて、最近
だから帰ってきちゃった(笑)
はい、ついた！ドア開けて〜」
「えっ、ちょっ…待っ」
待ってよ、急じゃん…！
もうお風呂に入っちゃったからすっぴんパジャマだし
ちょんまげにメガネ
おまけに歯ブラシまでくわえてるよ？
もっと可愛い格好して会いたかったよ、どうせなら…
急いで歯ブラシを置いて
仕方なく、玄関のドアを少しだけ開くと
瑠「久しぶり」
「もう…瑠姫くん！ちゃんとした格好で会いたかった！」
瑠「ぶっ…(笑)
部屋着のお手本みたいな格好、(笑)」
「んも〜、！笑わないでよ」
瑠「かわいいから、ほら」
おいで？と両腕を広げる彼
瑠「でも、会いたかったでしょ？Aも」
ああ、かっこいい
私の心拍数、大変なことになってる
「うん…会いたかった、けど」
瑠「…じゃあ明日、お洒落してどっか出かけよ？」
「うん、(笑)ごめんねすっぴんで」
瑠「見たかったから、(笑)
だから何も言わないで来た(笑)」
もう本当に、いじわるなんだから。
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作者名：Lynn | 作成日時：2022年1月27日 2時
