あなたのいる世界は (ページ27)

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純「…ごめんな、A

俺、ほんまに自分勝手やんな、」

困らせて、傷つけて悲しませて

俺、最悪や

「ありのままの純喜で、

幸せにできる人がきっといるよ

…私じゃ、純喜に無理させちゃう

もう、これで会うのも終わりにしよう？

お互いのために」

時間がかかるかもしれないけど、

純喜にも、前だけ向いて生きていってほしい

後ろを振り向いて、

私のことを思い出さないでほしい。

お互いの幸せのために、その方がいい。

純「…わかった、

A、最後に一個、許してほしい」

「うん…？」

純「…これで最後、

思いっきり、抱きしめてもええ…？」

今まで、ありがとう

心の中にずっと生きていた純喜とも

ここにいる純喜とも

やっと本当のお別れ

幸せだった、大切だったよ

「うん…」

前を向いて歩こう

一区切りつけようとしている彼を

私は受け入れた

久しぶりに抱きしめられて

懐かしい匂いが鼻を掠める

「私ね…好きな人ができたんだ」

純「…そっか、

…頑張れ、A

…ありがとう。…元気でな、」

体が離れて、彼の肩の向こう。

すらりと背の高い、見慣れた姿

待ち合わせを楽しみにしていた彼とのやり取りが

頭の中に走馬灯のように思い出される

(碧海くん…っ、)

離れていてまだ姿は小さいけど、

立ち姿で彼だとすぐにわかった

そして悟った

彼に見られていた、と

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