あなたのいる世界は (ページ20)

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碧「…俺が店に行く理由は、仕事だけやないから」

Aちゃんがおるから、頑張れんねん

「うれしいな、それは」

低くて、繊細な声

聞いていると心地よくて、

程よく眠たくなってきた

碧「俺、さ…」

「うん」

碧「いや、やっぱりなんでもない

また今度、風邪治ったらちゃんと言う」

今やないわ、と独り言を言っている彼

「うん、」

碧「眠たなってきた？」

「ん…」

碧「おやすみ、Aちゃん

ゆっくり休むんやで」

鍵、ポスト入れとくから

その言葉を聞いた後は

私は眠ってしまったみたい

深夜、変な時間に目が覚めると

もちろん碧海くんはいなくて

でも、ベッドのすぐ横に

スポーツドリンクとゼリーが

袋から出して置いてあって

さっきまでそこにいた彼の記憶が鮮明に蘇った

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結局次の日も、店長が休みにしてくれて

一日中寝て過ごした

碧海くんに、お礼のメッセージ送らなきゃ

ー「おかげさまで良くなりました

ありがとう」

すると、割とすぐに既読がついて

「わ、！」

彼からの着信を知らせる画面に切り替わった

「もしもし…」

碧「熱、さがった？」

「うん、もうすっかり元気になった

また明日から復帰するよ

色々ありがとう、助けてくれて」

碧「ならよかった」

「…」

沈黙を破ったのは、彼

碧「次の休み、いつー？」

「んー、明後日？」

碧「そっか…

明後日、俺の仕事終わったら

また会いたいねんけど

…会ってくれへん？」

幸せで、

くすぐったくて

でも怖いの、それが。

「…うん、わかった」

何が正解かもわからない

…わからないよ

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